マウスコンピューター初のChromebookの実力は? 「mouse Chromebook U1-DAU01GY-A」を試す(2/4 ページ)
マウスコンピューターから、初めてのChromeOS搭載ノートPC「mouse Chromebook U1-DAU01GY-A」が発売された。次世代のGIGAスクール端末としての採用も視野に入れているという本機は、思った以上にしっかりと作り込まれている。実際に試してみよう。
打ちやすい日本語キーボードも搭載 Webカメラも高画質
Next GIGA向け学習用端末では、文字を入力するデバイスとしてハードウェア(物理的)なキーボードに対応する必要がある。キーボードの配列は日本語(JIS)の他、米国英語(US/ANSI)も許容している。形態は本体との一体型はもちろん、ポゴピンまたはワイヤレス(Bluetooth)で接続できる分離型でも構わない。
その点、mouse Chromebook U1は本体一体型の日本語キーボードを搭載している。公称でキーピッチが約18.7mm、キーストロークが約1.4mmとなっており、大人はもちろんだが子どもの手でもタイピングしやすい絶妙な使用感を実現している。キー配列もChromebook標準にのっとっており、本体右側にある一部のキーの横幅が狭くなっていることを除けば違和感を覚えることはないだろう。
本体キーボードは日本語配列で、Chromebook(ChromeOS)の標準に準拠している。本体右側にある一部のキーの横幅が狭くなっていることが気になる人もいるかもしれないが、全体的にはくせのない打ちやすいキーボードに仕上がっている。
Next GIGAでは引き続き、イン(画面側)カメラとアウト(外側)カメラの搭載を必須としている。1台でイン/アウト両方を撮影できる機構を備えない限り、都合2台のカメラの搭載が求められることになる。
この条件を満たすべく、ディスプレイの上部に約100万画素のインカメラを、キーボードの上部に約500万画素でオートフォーカス(AF)対応のアウトカメラを備えている。「なんで“アウト”カメラがキーボード上部にあるの?」と思うかもしれないが、これはアウトカメラはタブレットモードで使うことを前提にしているからだ。
アウトカメラにはAF機能が備わっている。教科書や資料集に掲載された二次元コードの読み取りはもちろん、教室内や屋外での撮影アクセシビリティーの際も便利に使えそうだ。
強いて難点を挙げると、LEDライトの類は装備されていないので、暗い場所での撮影がしづらいことはある。もしも暗い場所で撮影をするというなら、別途ライトを用意すると良さそうだ。
画面は光沢加工 解像度の低さは意見が分かれそう
ディスプレイは11.6型液晶を採用している。先述の通りタッチ操作とペン入力に対応しており、表面はグレア(光沢)加工となっている。そのため、状況によっては画面に照明などが写り込んでしまう恐れがある。
それよりも気になるのはディスプレイの解像度だ。本機の液晶パネルの解像度はHD(1366×768ピクセル)となっている。一般的なコンシューマー向けノートPCでは、WindowsはもちろんChromebookでもフルHD(1920×1080ピクセル)のパネルを備えるモデルが主流となる中で、「今さらHD解像度なの?」と思わなくもないが、他メーカーを含めて、学習用端末では未だにHD解像度のパネルが主流だったりする。
恐らく、学習用端末では複数の情報(ウィンドウ)を同時に表示する機会が少ないことと、コストとの兼ね合いでHD解像度のパネルを採用するモデルが多いのだろう。とはいえ、下手なスマートフォンよりも低い解像度はどうなのかとも思ってしまう。
解像度は、もう少しどうにかならなかったのだろうか……? 文部科学省も、標準仕様書にディスプレイパネルのサイズだけでなく、解像度も盛り込んだ方が良かったのかもしれない。
ディスプレイパネルは11.6型で、解像度は1366×768ピクセルとなる。発色は良好なのだが、(特に大人目線だと)解像度の低さが気になってしまうかもしれない。ただ、本文でも触れた通り、Next GIGA向けの学習用端末の多くは、この解像度の液晶ディスプレイを採用している
ポート類は標準的なChromebookと同じだが、気になる点も
外部ポート類は、左側面にUSB 3.2 Gen 1 Standard-A端子とUSB 3.2 Gen 1 Type-C端子を、右側面にmicroSDメモリーカードリーダー、USB 3.2 Gen 1 Type-C端子、ヘッドセット端子(3.5mm)とUSB 3.2 Gen 1 Standard-A端子を備える。USB 3.2 Gen 1 Type-C端子はUSB PD(Power Delivery)による電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応する。
ポートの構成は標準的なChromebookと同じで、特にUSB Type-C端子が両側にあるのは利便性の面で評価できる。一方で、映像出力がUSB Type-C端子しかないことも気になる。
最近でこそ、学校における大型提示装置(電子黒板/大型ディスプレイ/プロジェクター)にもDisplayPort Alternate Mode対応のUSB Type-C端子が普及し始めたが、HDMI入力端子や(通常の)DisplayPort端子しか備えないものも少なくない。学年によっては「学習用端末の映像を大型提示装置に映し出す」という使い方も想定される。
「学校側で変換アダプターを用意すればいい」という意見もあるだろうが、せめてHDMI出力端子は用意しておいた方が良かったのではないかと思う。
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