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Snapdragon X Eliteを搭載した新型「Surface Laptop」 パフォーマンスをチェック ARM版Windowsの未来は意外と明るい?(3/3 ページ)

発売日に購入した「Surface Laptop(第7世代)」の開封レポートに続いて、パフォーマンスチェックの結果をお届けする。

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x64エミュレーション下でのGPUパフォーマンスをチェック

 Windows開発キット2023を以前紹介した際に、x64エミュレーション下でのパフォーマンステストとして、「ドラゴンクエストX オンライン ベンチマーク」を実行した結果を紹介した。Snapdragon X X1E-80-100のAdreno GPUは、GFXBenchでWindows開発キット2023をはるかに越えるパフォーマンスをたたき出したが、x64エミュレーション下ではどれ位の差が出るのだろうか。

 そこで、統合GPUのパフォーマンス向上がエミュレーション下でのパフォーマンスにどの程度影響を与えるか気になったので、エミュレーション下でのゲームプレイの実力を探ることとした。

 設定はグラフィックス設定を「標準品質」、解像度を「1920×1080ピクセル(フルHD)」、表示方法は「フルスクリーン」としてテストした結果が以下の通りだ。

  • Surface Laptop(Snapdragon X Elite):5676(快適)
  • ThinkPad X13 Gen 2(AMD):8334(とても快適)
  • Windows開発キット2023:3859(普通)
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ドラゴンクエストXオンラインベンチマークの結果

 ThinkPad X13 Gen 2(AMD)と比較するとスコアはやや劣るが、エミュレーション下でのパフォーマンスとしてみると、かなり良い線を行くパフォーマンスが発揮できている。さらに、Windows開発キットと比べると、スコアは約1.5倍の5676で「快適」評価となっている。

 お恥ずかしながら、まだArm版Windowsのx64エミュレーションの動作仕様をそこまで深く理解していない。そのためあまり深いことはいえないが、少なくとも統合GPUのパフォーマンス向上は、エミュレーション下でのパフォーマンス向上にもつながることが分かった。

「x64エミュレーション」でも良いが、やはりネイティブアプリを待ち望みたい

 こうして見てみると、Snapdragon X Eliteは確かに、Arm版Windowsの普及への第一歩を踏むCPUとしては、かなり優秀なCPUといえる。少なくとも今回のベンチマークテストでは、Apple Siliconとの明確な差は感じられなかったが非常に多種多様な既存のx86 64アプリを利用できる「x64エミュレーション」のおかげで、Windowsのエコシステムを享受できる点を考えると、Arm版Windowsの未来は意外と明るく、「今回こそは失敗しないのではないか」と感じている。

 とはいえ、あくまでエミュレーションではあるため、どうしてもArmネイティブアプリと比べるとオーバーヘッドが発生し、本来の性能を発揮できないため、Armネイティブアプリの普及を待ち望みたい。幸い、Google ChromeもArmネイティブ版がリリースされたため、ここ1年でWindowsアプリのArmネイティブ対応が進むことが期待できそうだ。

 次回以降、x64エミュレーションやNPUにフォーカスを当てて、さらにCopilot+ PCであるSurface Laptop 13.8型モデルについて深掘りしていく。

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