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新型Ryzen AI搭載の「ProArt PX13」はデスクトップPCの置き換えも可能なモバイルPCなのか? 試して分かった夢と現実ある日のペン・ボード・ガジェット(3/5 ページ)

プロイラストレーターのrefeiaさんが、どうしても試してみたかった新型「Ryzen AIプロセッサ」搭載のノートPC「ProArt PX13」を試してみました。

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高品質な有機ELディスプレイを採用

 ProArtシリーズなので当たり前ではありますが、ディスプレイも良いものを採用しています。2880×1800ピクセルの有機ELで、光沢ディスプレイ、Display P3を100%カバーすることをうたっています。手元で測ると、DCI-P3やDisplay P3を優先しながらAdobe RGBにも手を広げたディスプレイで、映像だけでなく印刷物で色にこだわりたい人も十分に使えると思います。

ASUS JAPAN ProArt PX13 13.3型 ノートPC Ryzen AI 9 HX 370 GeForce RTX 4070 Laptop GPU
手元の測色器ではAdobe RGBカバー率が94%(CIE 1931l_ht0913)と計測されました

 sRGB/DCI-P3/Display P3のカラーモードを持っているので、標準設定に準拠した制作もしやすいです。

ASUS JAPAN ProArt PX13 13.3型 ノートPC Ryzen AI 9 HX 370 GeForce RTX 4070 Laptop GPU
ProArt Control Hubという専用アプリがあり、さまざまな設定が行えます

 また、13型としてはかなり解像度が高いので表示も緻密で、有機ELらしいコントラスト感と色鮮やかさもあります。HDRにも対応しており、制作で頼りになるだけでなく、対応コンテンツの鑑賞デバイスとしても優れていると思います。

性能をチェック

 さて、ついに来ました。性能を見ていきましょう。13.3型ノートPCのボディーにどれほどの力があるのか――。なお、今回はデスクトップPCとざっくり比較の形式にするので、より具体的な結果の数値を見たい人はこちらのレビューを参照してください。

 まずはCPU性能からです。手元のデスクトップPCは若干古い第12世代のCore i7-12700Kですが、13〜14世代の上位モデルが品質問題に直面している今、かえって現役感が高まってしまいました。

ASUS JAPAN ProArt PX13 13.3型 ノートPC Ryzen AI 9 HX 370 GeForce RTX 4070 Laptop GPU
パフォーマンスモードでのテスト結果。Core i7-12700Kのスコアを100%としたグラフです

 どうでしょう。若干の得意/不得意こそあれ、Core i7-12700Kと張り合える能力があるのが分かります。それでは外付けGPUはどうでしょう。ここでは、Ryzen AI 9 HX 370内蔵のRadeon 890Mと、手元のGeForce RTX 4070 Ti(デスクトップ版)を比べます。

ASUS JAPAN ProArt PX13 13.3型 ノートPC Ryzen AI 9 HX 370 GeForce RTX 4070 Laptop GPU
GeForce RTX 4070 Laptop GPUを100%として比較しています

 CPU内蔵GPUよりは数倍速く、デスクトップのGeForce RTX 4070 Tiからだと半分ぐらいでしょうか。GeForceは同じモデルでもデスクトップ版とラップトップ版に性能の開きがあるので、デスクトップ版と比べるならGeForce RTX 4060や4060 Tiあたりに近いと考えるのがよさそうです。

 ちなみに3DMarkでは、大型ノートPCで動いているケースが多いであろう他所の4070 Laptop GPUの結果と比べても、ひどく劣っているわけではないのが分かります。

ASUS JAPAN ProArt PX13 13.3型 ノートPC Ryzen AI 9 HX 370 GeForce RTX 4070 Laptop GPU
3DMark Time Spy結果画面。オレンジの線の一番右の山が、おそらく大型ノートPCのスコア群でしょう

 また、せっかくの小型PCなのでパフォーマンス設定とバッテリー駆動を変えた場合の性能も見ておきました。

ASUS JAPAN ProArt PX13 13.3型 ノートPC Ryzen AI 9 HX 370 GeForce RTX 4070 Laptop GPU
元々が速いので、仮にスコアが8割や7割まで落ちても多くの用途で十分な性能です

 スタンダードモードで十分に速く、ぶん回しても冷却ファンの音量はほどほどに抑えられています。一方でパフォーマンスモードは性能向上がわずかの割には冷却ファン音が気になるので、基本スタンダードモードだけで良いでしょう。

 また、冷却ファンからの「サー」とか「シュー」という音に混じって、「キー」という高音のトーンが気になりやすいのは惜しく感じました。長時間ぶん回すような使い方を想定している人は、実機でファン音を確かめておくと良いかもしれません。

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