「iPhone 16」「iPhone 16 Pro」のカメラ機能は想像以上に進化していた 1〜2年前のiPhoneユーザーも買い換えたくなるくらい:本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/5 ページ)
iPhone 16/iPhone 16 Proシリーズが発売されて、間もなく1カ月が経過する。Webメディアなどにその評価は出回っていると思うが、筆者もカメラ回りを中心にその所感を述べてみたい。
自分スタイルの写真を簡単に作り出す
さて、カメラコントロールにやや苦言を呈したしまったが、使いこなしさえすれば利便性の高いUIであることは間違いない。そこからiPhoneカメラの良い部分を引き出すことによって、自分なりのスタイルで写真を操ることが可能だ。
例えば露出コントロールだと、従来はフォーカススイッチをタップしながら、上下にスライドさせながらも、うまく調整しきれなかったという人もいたのではないだろうか。そこで筆者は普段、カメラコントロールを露出補正に割り当てている。ただ、普段はボケを生かした写真をよく撮るという人であれば、ここにボケ具合を調整するための機能を割り当てておくとよい。
筆者的には、露出補正以外にトーンの変更を割り当てておくこともお勧めだ。トーン変更は従来、機能設定の深い部分でしか選べなかった。しかし、iPhone 16シリーズ/iPhone 16 Proシリーズでは、フォトグラフスタイルがより幅広い選択肢を伴ってカメラコントロールから切り替えられる。標準の位置から左側は、主にポートレートを撮影する際に肌色や全体の風合いを変更するための「振り設定」が入れられている。逆の右側には、もっとドラスティックな絵作りや写真全体に影響するプリセットが入っていた。
もっとも、フォトグラフスタイルは「写真」アプリを通じて後から簡単に変更することも可能となったので、撮影時に時間をかけて選ぶよりも、後から編集にした方が良いのではないだろうか。この辺は好みもあるかなと思う。
とはいえ、繰り返しになるがカメラコントロールで制御できる項目は、少々多すぎるように思う。例えば、カメラコントロールからはカメラの切り替えを行えるのだが、これは画面をタップしたほうがはるかに早い。ズーム操作も可能だが、画面をスワイプした方が楽なケースも多い。こういう機能はカメラコントロールに割り振らなくてもいいように思える。
また、カメラコントロールで操作できるパラメーターは「半押しダブルクリック」という過去に経験したことのない操作によって切り替えモードに入り、スライドセンサーによって選択を行う。この半押しダブルクリックは、慣れるまでなかなか難しい。その上、項目の順番を覚えていないと、切り替えも素早くできない。
慣れれば使いこなせるようになるとは思うのが、いかんせんそこに至るまでのハードルが高いようにも感じる。機能をもっと絞り込んだ上で、半押しダブルクリックをもっと楽にできるようにする調整を入れるべきだろう。
前のセクションに続いてやや苦言が多くなってしまったが、スマートフォン用としては優れているディスプレイを通して、正確にエフェクトやパラメーターの設定などを反映した映像を見ながら写真を撮れる点は良いと思う。
使いこなしさえすれば、従来よりも“自分スタイル”の写真を簡単に撮影することが可能だ。カメラコントロールも“邪魔”というわけではなく、撮影を簡単にするための要素として洗練されていけばいいと考える。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜ“まだ使えない”Apple Intelligenceを推すのか? 新製品から見えるAppleの狙い
Appleが、毎年恒例の9月のスペシャルイベントを開催した。順当に発表された新型iPhoneでは、生成AIを生かした「Apple Intelligence」が推されてるのだが、当のApple Intelligenceは発売時に使うことはできない。なぜ、発売当初に使えない機能を推すのだろうか。新製品の狙いを見ていこう。
“後出し”の生成AI「Apple Intelligence」がAppleの製品力を高める理由
生成AIにおいて出遅れを指摘されているAppleが、開発者向けイベントに合わせて「Apple Intelligence」を発表した。数ある生成AIとは異なり、あくまでも「Apple製品を使いやすくする」というアプローチが特徴だ。
「iPhone 15 Pro」のカメラ使いこなし術 “写真機”としての進化を作例とともに振り返る
iPhone 11シリーズ以来、iPhoneはカメラ機能を“写真機”に近づける取り組みを継続している。特にProシリーズはそれが顕著だが、最新の「iPhone 15 Pro」や「iPhone 15 Pro Max」は、その理想に達することができたのだろうか。使いこなし術を紹介しつつ、検証してみよう。
iPhone 15 Proの新体験をもたらす「A17 Proチップ」から将来の「M3チップ(仮)」を想像する
例年通り、Appleが新型iPhoneを発表した。上位モデルの「iPhone 15 Proシリーズ」は、初めての3nmプロセスSoC「A17 Proチップ」が搭載されているが、その特徴を確認しつつ、MacやiPad Proなどに搭載されるであろう「M3チップ(仮)」を少し想像してみようと思う。- なぜ「iPhone 14 mini」がなくなって「iPhone 14 Plus」が出たのか 実機を触って分かったこと
