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私たちの“仕事”に適したビジネスPCをどう選ぶ? 〜GPU編〜情シス目線のビジネスPC選び(2/2 ページ)

従業員に支給するビジネスPCの機種選定は意外と大変な作業だ。どのようなポイントをチェックすればいいのか。情シス目線で役立つ各パーツの解説を連載でお届けする。

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業務でCPU内蔵GPUが必要か、それとも外付けGPUが必要か

 CPU編でも触れたが、ビジネスPCを選定するに当たっては、自社の業務の洗い出しが必須だ。

 例えば、Photoshop バージョン25.2以降の最小システム構成と推奨システム構成の中でグラフィックスカードの部分を抜粋してみよう。

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Photoshop の最小システム構成および推奨システム構成(公式サイトより

 最小構成と推奨構成のうち、GPUメモリに着目してみると、最小構成が「1.5GBのGPUメモリを搭載していること」、4K以上のディスプレイを利用している場合の推奨構成では、「4GBのGPUメモリが搭載されていること」とそれぞれ記載されている。

 外付けGPUには独立したGPUメモリ(VRAM)が搭載されているため、推奨構成を満たすモデルを選定すれば良いが、CPU内蔵GPUについては外付けGPUのように独立したGPUメモリを搭載しておらず、PCのメモリと共有して利用される。CPU内蔵GPUだけではおのずとシステムに利用できるメモリ容量が少なくなってしまう。

 Photoshopはどちらかというと3Dモデリングソフトや映像製作ソフトと比べると負荷の低いアプリケーションに分類されるが、それでもGPUのシステム要件が結構高いことが分かる。

 もし社内にPhotoshopを多用している部門があるとして、外付けGPUを搭載していないPCをビジネスPCとして選択すると、業務効率が大きく低下してしまう恐れがある。そうしたケースを鑑みて、ビジネスPCを選定する上でGPUもしっかり評価しなければならないというわけだ。

社内の全てのビジネスPCのスペックを必ずそろえる必要はない

 社内の業務を洗い出して、一部の事業部では外付けGPUを搭載したPCを導入した方が良さそうと気付いたとしよう。そうなると、「社内全てのビジネスPCに外付けGPUを搭載する必要があるのか?」という悩みも発生する。

 資産管理や運用面の観点から見ると、統一したスペックのビジネスPCを一括導入すれば運用の負担は少なくなるが、ビジネスPCを選定する上での大前提である「対費用効果を最大限得る」という観点から見ると、持て余してしまう社員が大勢発生してしまい、結果として対費用効果を最大限得られなくなってしまう。

 とはいえ、一部の事業部だけ毎回希望のスペックをヒアリングして購入すると、資産の使い回しがし辛くなるため、遊休品を多く出してしまう恐れがある。よって一般職向けの「標準PC」とクリエイティブ部門向けの「ハイスペックPC」のように2種類に分類分けして、それぞれビジネスPCを選定する方法を筆者としてはオススメしたい。

 この方法は社内の業務の移り変わりや、新しく発売されるGPUにアンテナを張って、定期的な選定見直しが必要にはなるが、ある程度は社内にあるビジネスPCの仕様をハンドリングできるため、効率的な資産運用が可能となる。

 ビジネスPC選定する際に、意外と見落としがちなGPUの選び方について、少し掘り下げて解説してきた。ビジネスPCを選定する上で、何かと見落としがちなGPUだが、重要なパーツの1つなので、本記事が自社にとって適切なGPUを選定する一助になれば幸いだ。

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