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まさかの“キーボード不要説”までさく裂した「HHKBユーザーミートアップVol.8」潜入レポート 132万円のHHKB Studio実機やニッポン放送吉田尚記氏も登場(4/4 ページ)

2024年12月に誕生から28周年を迎えるHHKB──開発元のPFUは、11月7日に「HHKBユーザーミートアップVol.8」を開催した。最新モデル「HHKB Studio 雪」の登場や、能登半島地震復興支援プロジェクトなど、HHKBを取り巻くさまざまな話題で盛り上がったイベントの様子をレポートする。

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132万円のHHKB Studio実機も展示

 会場を入ってすぐのところは展示コーナーとなっていた。今回の展示の特徴は、HHKBのさまざまなシリーズを集めたものというより、いかにカスタマイズできるかの提案と、能登半島地震復興に関するものであった。

展示コーナー
展示コーナーのうち、入口正面の目立つ場所には能登半島地震復興に関連したものが配置されていた

 正面には初代輪島塗HHKBであるHHKB Professional HG/HG JAPANと、Makuakeでキャンペーンを行った能登半島地震復興応援 Re:Japanモデルを展示して、違いを確認したり、漆塗りのキートップの感触を確かめたりすることができた。

HHKB Professional HG / HG JAPAN
当時50万円で、「市販されているものの中で最も価格の高いキーボード」としてギネスブックにも掲載された「HHKB Professional HG / HG JAPAN」
能登半島地震復興応援 Re:Japanモデル
こちらは132万円の「能登半島地震復興応援 Re:Japan」。市販されたわけではないので、こちらはギネス申請しなかったとのこと

 「これが132万円のキーボードですよ。触れますよ」とスタッフに案内されると、すぐに人だかりができていた。筆者も「こ、これが132万円の手触り……!」と堪能することができた。

 HHKB Studioキートップの3Dデータを公開したことにより、カスタマイズしやすくなった。輪島塗キーボードと同じ展示台にはDMM.makeで社員が作成したキートップの数々が並んでいた。ヒョウ柄のもの、レインボーカラーのもの、クリアアクリルで作成したもの、アルミやステンレスで作成したものなどだ。

DMM.makeの自作キートップ
DMM.makeで作成したキートップ。Enterキーはヒョウ柄だ
DMM.makeの自作キートップ
こちらはクリアアクリルで作成している。トランスルーセントの人気には根強いものがある
DMM.makeの自作キートップ
こちらはスイーツをイメージしたデザインの自作キートップ。作業中の糖分補給に良さそうだ

 なお、ステンレスキートップは重さがあるため、特にスペースキーではキースイッチがキートップを支えきれず、常にスペースを入力し続けるという欠点があったという。自作する場合は、素材にも注意が必要だろう。

DMM.makeの自作キートップ
ステンレス素材で作ったものの、重すぎたというスペースキー。もちろん、全体の重量も増している

 広島の松葉製作所は、既存のパームレストなどの他、開発中のキートップセットも展示していた。Enterキー、Shiftキー、Escキーなどキートップの一部をカスタマイズできるもので、プラモデルのようにランナーから切り取ってミツロウのワックスがけを行い育てていくものと、はめ込むだけで良い状態に仕上げたものを制作予定だという。

 展示していたのはウォールナット、ブラックチェリー、黒壇であったが、要望に応じて、他に適した樹種が見つかれば別の素材でも製作するとのことだ。

開発中のキートップセット
松葉製作所が開発中だというキートップセット。素材によって価格が変わる予定だ
完成品のキートップ
こちらは開発中の完成したキートップ。どういうことかというと、ランナーから外してあり、ミツロウのワックスがけも済んでいる完成品も販売する予定だ、という意味で開発中の完成品なのである
松葉製作所のキートップ
このオリジナルキートップには木を素材にしたものだけでなく、アルミ素材のものも制作予定だ

 バード電子では、HHKB Studio向け尊師スタイルユーザー御用達の「キーボードブリッジ」や、HHKB Studio向け「キーボードルーフ」などを展示していた。HHKB Studioの奥行きに合わせたサイズのキーボードブリッジや、雪モデルにぴったりな「フリーザー」カラーをすぐさま販売するなど、その開発スピードに驚かされる。

「キーボードブリッジ」
HHKB Studioにぴったりな「キーボードブリッジ」
「キーボードルーフ」
雪モデルにぴったりな「キーボードルーフ」

 ファーイーストガジェットでも尊師スタイルを実現するアクセサリーを展示していたが、こちらのアプローチは「サイズの最小限化」である。2つ1組であることから、「タイプスティックス―#打ち箸」と名付けられている。その他、スマートフォンやタブレットをHHKB Studioに取り付けてラップトップPCのように使えるはめ込みスタンドも開発中ながら展示していた。これが販売されるようになれば、机のないセミナーイベントでも、膝の上で取材メモを取れそうだ。

「タイプスティックス―#打ち箸」
「タイプスティックス―#打ち箸」。ノートPCのキーボード部分に載せて使う
ラップトップPC化するスタンド
スマートフォンを膝の上で入力できるようにしたHHKB向けモジュール。デザインの他、耐荷重などまだまだ検討する要素が多いとのこと

 2023年10月24日以前は「ユーザーがHHKBに合わせる」必要があった。しかし、HHKB Studioが登場した25日以降は「HHKBがユーザーに合わせる」ことができるようになった。

 専用のキーマップ変更ツール、自作キートップやアクセサリーを使ってのカスタマイズなどの他、雪モデルというカラーバリエーションの追加により、ユーザー“が”使いやすいキーボードへと育てられるようになった。

 4万4000円という価格を高いと思うか安いと思うか――熱意あるユーザーたちに支えられて大盛況のうちに終わったが、真剣に考えさせられるイベントであった。

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