モバイルに「L3キャッシュ爆盛り」とApple/Intel対抗の「GPU強化モデル」登場――AMDが新型「Ryzen」を一挙発表:CES 2025(2/3 ページ)
AMDのCPU/APU「Ryzenプロセッサ」に新モデルが登場する。純粋な新アーキテクチャを採用する新モデルは登場しないものの、自社のアセットをうまく生かした強化モデルがめじろ押しだ。
Ryzen Z2プロセッサ(ポータブルゲーミングPC向け)
「Ryzen Z2プロセッサ」は、2023年にリリースされた「Ryzen Z1プロセッサ」の後継となるポータブルゲーミングPC向けAPUとなる。ポータブルゲーミングPCが一定の市場規模になってきたことを踏まえZ1の“続編”として開発されたそうで、据え置きゲーム機並みのパフォーマンスを備えつつ、バッテリー持ちの改善を図ったという。搭載PCは2025年第1四半期に登場する予定だ。
ラインアップは以下の通りとなる。
- Ryzen Z2 Go
- CPUコア:4基8スレッド(最大4.3GHz)
- CPUキャッシュ:合計10MB
- GPUコア:12基
- TDP:15〜30W
- Ryzen Z2
- CPUコア:8基16スレッド(最大5.1GHz)
- CPUキャッシュ:合計24MB
- GPUコア:12基
- TDP:15〜30W
- Ryzen Z2 Extreme
- CPUコア:8基16スレッド(最大5GHz)
- CPUキャッシュ:合計24MB
- GPUコア:16基
- TDP:15〜30W
今回は4コア8スレッドのエントリー向けの「Ryzen Z2 Go」が用意され、スタンダードの「Ryzen Z2」と上位版となる「Ryzen Z2 Extreme」は8コア16スレッドに統一されている。Ryzen Z2 ExtremeはGPUコアが4基多いせいか、CPUの最大クロックが100MHz低くなっている
Ryzen AI 300プロセッサ(ノートPC向け:追加ラインアップ)
高性能なNPUを搭載したAPU「Ryzen AI 300プロセッサ」については、既存のプレミアムモデル(Ryzen AI 9)に加えて、その下位にアドバンスドモデル(Ryzen AI 5/7)と、上位にHalo(ヘイロー)モデル(Ryzen AI Max/Ryzen AI Max+)が登場する。
Ryzen AI 5 300プロセッサとRyzen AI 7 300プロセッサは、ピーク時に50TOPS(毎秒50兆回)のAI処理を行えるNPUを統合している。CPUコアはZen 5/Zen 5cアーキテクチャ、GPUコアはRDNA 3.5アーキテクチャという構成はプレミアムモデルと変わらない。搭載PCは2025年第1四半期(PROモデルは第2四半期)に登場予定だ。
ラインアップは以下の通りとなる。いずれもTDPは15〜54Wの範囲で設定可能で、企業向けの管理/セキュリティ機能「AMD PRO」に対応するモデルも用意している。
- Ryzen AI 5 340/Ryzen AI 5 PRO 340
- CPUコア:Zen 5×3基+Zen 5c×3基(合計6コア12スレッド/2GHz〜4.8GHz)
- CPUキャッシュ:合計22MB
- GPUコア:Radeon 840M(演算ユニット4基)
- Ryzen AI 7 350/Ryzen AI 7 PRO 350
- CPUコア:Zen 5×4基+Zen 5c×4基(合計8コア16スレッド/2GHz〜5.1GHz)
- CPUキャッシュ:合計24MB
- GPUコア:Radeon 860M(演算ユニット8基)
Ryzen AI Max/Max+プロセッサ(ハイエンドAI PC向け)
「Ryzen AI Maxプロセッサ」と「Ryzen AI Max+プロセッサ」は、「新しいメモリインタフェース」を搭載することで最大毎秒256GBのメモリアクセスを実現した他、CPUコアをZen 5にそろえてGPUコアを“増量”することで外部GPUなしでも(=消費電力を抑えて)高速なAI処理を行えるようにしたAPUだ。搭載PCは2025年第1〜2四半期に順次登場する予定だ。
CPUコアはZen 5アーキテクチャで、最大16基32スレッドを備える。GPUはRDNA 3.5アーキテクチャの「Radeon 8000Sシリーズ」で、演算ユニットは最大で40基を備える。NPUのピーク時の演算性能は50TOPSだ。TDPは45〜120Wの範囲で設定できる。
ラインアップは以下の通りで、いずれもAMD PRO対応モデルを用意している(シリーズのエントリーモデルのみ非PROモデルなし)
- Ryzen AI Max PRO 380
- CPUコア:6コア12スレッド(3.6GHz〜4.9GHz)
- CPUキャッシュ:合計22MB
- GPUコア:Radeon 8040S(演算ユニット16基)
- Ryzen AI Max PRO 380
- CPUコア:6コア12スレッド(3.6GHz〜4.9GHz)
- CPUキャッシュ:合計22MB
- GPUコア:Radeon 8040S(演算ユニット16基)
- Ryzen AI Max 385/Ryzen AI Max PRO 385
- CPUコア:8コア16スレッド(3.6GHz〜5GHz)
- CPUキャッシュ:合計40MB
- GPU:Radeon 8050S(演算ユニット32基)
- Ryzen AI Max 390/Ryzen AI Max PRO 390
- CPU:12コア24スレッド(3.2GHz〜5GHz)
- CPUキャッシュ:合計76MB
- GPUコア:Radeon 8050S(演算ユニット32基)
- Ryzen AI Max+ 395/Ryzen AI Max+ PRO 395
- CPUコア:16コア32スレッド(3GHz〜5.1GHz)
- CPUキャッシュ:合計80MB
- GPUコア:Radeon 8060S(演算ユニット40基)
「LM Studio」で700億パラメーターを稼働させた場合、「GeForce RTX 4090」を搭載するPCと比べて最大2.2倍高速で、かつ最大87%の電力削減となるという。というか、外部GPUなしで700億パラメーターのLLMが動いてしまうのがすごい
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