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コラム

Windowsノートパソコンを修理 「マザーボード」を交換する前に必ずやっておきたいこと(2/3 ページ)

Windows PC(特にメーカー製)の場合、ストレージが暗号化されていることがある。急に電源が入らなくなってマザーボードを交換することになった場合、最悪ストレージにアクセスできず、データを救いだせなくなるかもしれない。そうならないように、備えておく方法を紹介する。

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マザーボード交換時は暗号化を解除すべき ところが……

 BitLockerまたはデバイスの暗号化で暗号化されたストレージは、基本的にPCのTPM/Plutonプロセッサに保存された「暗号キー」を使って自動的に復号される。一方、何らかの理由で暗号キーを見つけられない(消失した)場合は「回復キー」を入力することで読み書きできるようになる。

 繰り返しとなるが、暗号キーはTPM/Plutonプロセッサに保存される。TPM/Plutonプロセッサの交換を伴う修理を行うと、暗号キーは当然“からっぽ”なので、回復キーの入力を求められる。

 ノートPCの場合、TPMはCPUに統合されているか独立チップとしてマザーボード上に実装されており、PlutonプロセッサはCPUに統合されている。CPUにしても独立TPMにしても、マザーボードに直付けされているため、マザーボードの交換はすべからくTPM/Plutonプロセッサの交換を意味する。

 マザーボードの交換修理をする際に、以前使っていた暗号化ストレージ(SSD/HDD)をそのまま付けると起動時に「回復キー」を入力するように求められる。こうなることを回避すべく、メーカーは修理依頼を受け付ける際に「ストレージの暗号化を解除(停止)してから送付してください」と案内している。暗号化の解除手順は以下の通りだ。

  • デバイスの暗号化をしている場合
    1. 「設定」を開く
    2. 「プライバシーとセキュリティ」を開く
    3. 「デバイスの暗号化」を開く
    4. 「デバイスの暗号化」のスイッチをオフにする
    5. 警告が出たら「オフにする」をタップ
    6. しばらく待つ
  • BitLockerで暗号化している場合(Home以外ではこちらも可)
    1. 「エクスプローラー」を開く
    2. 暗号化されたストレージを選んで右クリック(またはアプリケーションキーを押す)
    3. 「BitLockerの管理」をクリック
    4. 「BitLockerを無効にする」をクリック
    5. 警告が出たら「BitLockerを無効にする」をクリック
    6. しばらく待つ

 暗号化の解除にかかる時間は、ストレージの種類や使用済み容量によって異なるが、SSDの場合は30分あれば終わる。

暗号化解除
デバイスの暗号化を使っているPCの場合は、設定画面の「デバイスの暗号化」をオフにするだけでよい
コントロールパネル
Homeエディション以外のWindows 11を使っている場合は、エクスプローラーからアクセスできる「BitLockerドライブ暗号化」からも暗号化を解除できる

 筆者が前回ThinkPad X13 Gen 3を修理に出した際は、Thunderbolt 4端子が不調なだけだったので、修理を行う前に問題なくSSDの暗号化を解除できた。

 しかし今回はPCの電源が入らないため、“自力”ではSSDの暗号化を解除できない。そのため、取れる選択肢は以下のいずれかとなる。

  • マザーボード交換後にBitLockerの「回復キー」を入力して起動する
  • マザーボード交換前にSSDを取り出して、別のPCを使って暗号化を解除する
  • SSDのデータを諦めて、マザーボード交換後にWindowsを再インストールする(最後の手段)

 この3択から対策を検討した際に、ふと思い出してしまった。「あれ、このThinkPadのSSDの回復キーってバックアップ取ってあったっけ、と……。

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