どの機能も実装してほしい――「Adobe MAX 2025」で披露されたAI機能が見せる“近未来”:本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/4 ページ)
Adobeの年次イベント「Adobe MAX」で一番人気のセッションが、研究中/開発中の機能を披露する「Sneaks」だ。ここで紹介された機能をかいつまんで紹介しよう。
Project Surface Swap:「面」を理解する選択ツール
「Project Surface Swap」は、Photoshopを使った作業の中でも最も基本的な、しかし最も面倒で難しい作業の1つである「選択ツール」の範囲選択をAIで刷新する試みだ。
Project Surface Swapでは、写真に写っている被写体の「面」を認識する。実演で使われた自動車の写真では、「Select Surface」ツールで車体をクリックすると、塗装面だけが選択された。ボンネットには光が映り込んで白くハイライトになっているが、きちんと連続した面として選択され、よく似た色と明るさの関係ない場所は選択されない。純粋に車の塗装面だけを認識してくれるのだ。
Surface Swapは、選択している表面のマテリアル(素材)やその写真の雰囲気(光の具合やホワイトバランスなど)まで識別している。キッチンテーブルの写真では、天板の素材を大理石に変更するデモが行われたが、単にテクスチャーが変わるだけでなく、大理石特有の光沢感、冷たい質感、光の反射特性までも正確に再現された。
さらに、天板の物理的な構造を立体的に認識しているので「Create Layer for Logo(ロゴ用のレイヤー作成)」を使うと自動的にテーブルの形状に合わせた深度マスクを生成し、ロゴをテーブルの表面に自然に存在しているかのように見せることもできる。影も自動的に生成され、照明環境と完全に調和する。
AIが写真の中の物理的な構造と素材特性を理解し、その知識に基づいてユーザーを助けてくれるのだ。
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