超高速ゲーミングキーボード「Razer Huntsman V3 Pro Tenkeyless 8KHz」を試す ラピッドトリガー×8000Hz応答で“勝ち”をつかめる(2/2 ページ)
Razerが、新たな競技(プロ)向けゲーミングキーボードをリリースした。ポーリングレートを最大8000Hzまで高めることが可能で、ラピッドトリガーにまで対応している。実際に試してみよう。
「Razer Synapse」で設定できること
Huntsman V3 Pro TKL 8KHzシリーズは、Razer Synapseで細かい設定を行える。キーの割り当てやマクロの作成、ライティング制御からパフォーマンス調整まで詳細なカスタマイズが可能だ。
「カスタマイズ」タブでは、キー割り当てやゲームモード、有線接続時のポーリングレート、デッドゾーン調整、ゲームパッド入力の設定などを管理できる。
ゲームモードを有効にすると、プレイ中の誤操作を防ぐためにWindowsキーや「Alt+Tab」「Alt+F4」といった主要なショートカットキーを無効化できる。有線接続時のポーリングレートは、125Hzから8000Hzまで7段階で設定可能で、数値を高くするほど入力応答性は向上するが、CPUへの負荷も増える。
デッドゾーン切り替えは、キーの反応を優先する「レスポンシブ」と、安定性を重視する「安定性」の2モードから選べる。前者は競技ゲーマー向け、後者は誤入力を抑えたいユーザーに適している。
「アクチュエーション」タブでは、キースイッチの動作を細かく調整できる。アクチュエーションポイントは0.1mm〜4mmまで調整でき、浅く触れる程度で即反応させる設定から、深く押し込むまで反応しない設定まで自由に選べる。
先述の通り、本製品はラピッドトリガー機能に対応しており、その有効/無効の切り替えと、反応しきい値の変更も行える。
このタブにある「スナップタップ」という項目は、特定のキー同士の入力優先順位を制御する機能だ。例えば「A」を押したまま「D」を押すと、同時押しではなく「Aキーを離してDキーを押す」といった挙動を設定可能だ。こうすることでいわゆる「レレレ撃ち」のような左右移動をスムーズに行えるため、競技タイトルでの操作精度が高まる。
これらの設定はキーごとに保存可能で、タイトル別に最適化したプロファイルを構築することもできる。
「ライティング」タブでは、その名の通りRGBライティング(Razer Chroma RGB)を制御できる。LEDの輝度は0%(オフ)〜100%で調整でき、ディスプレイがオフになった際、あるいは一定時間操作がない場合に自動消灯させる設定も可能だ。
発光パターンは「スペクトラムサイクル」「ウェーブ」「スタティック」といったクイック効果に加え、詳細なカスタマイズにも対応する。Razer Chroma対応デバイスと連動させれば、デスク全体で統一感のあるライティング演出を楽しめる。
超高速応答と緻密な調整性能を備えたプロ志向キーボード
Razer Huntsman V3 Pro Tenkeyless 8KHzは、同社のゲーミングキーボードの中でも特に競技志向が強いモデルだ。第2世代アナログオプティカルスイッチと8000Hzポーリングの組み合わせにより、入力から反応までの遅延を極限まで抑えている。実際のプレイでは、キーリセットや再押下の反応がきわめて速く、ストレイフ操作や連続入力を多用するFPSでも入力遅延を感じなかった。
各スイッチは個別に潤滑処理が施され、タイプ感は非常に滑らかで引っかかりもない。タイプ音は「カチャカチャ」とした軽いクリック音で、静音というほどではないが、ゲーム中は気にならない程度だ。内部フォームの効果もあり、金属的な響きは少なく落ち着いた音に仕上がっている。
独立した矢印キーやメディアコントロールも備え、ゲームだけでなく日常的な作業にも対応できる。PBTダブルショットキーキャップは長時間使用しても指先の滑りが少なく、サラサラとした質感が持続するため、タイピング用途でも快適だ。
キーボード本体でプロファイルの切り替えやアクチュエーションポイントの調整が行える点も便利で、Razer Synapseを起動しなくても環境を問わず同じ設定を再現できる。テンキーレスの携行性と高度な調整機能を両立した本機は、競技シーンで入力精度を突き詰めたいプレイヤーはもちろん、普段使いでも快適な操作性を求めるユーザーにも有力な選択肢となるだろう。
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