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超高速ゲーミングキーボード「Razer Huntsman V3 Pro Tenkeyless 8KHz」を試す ラピッドトリガー×8000Hz応答で“勝ち”をつかめる(1/2 ページ)

Razerが、新たな競技(プロ)向けゲーミングキーボードをリリースした。ポーリングレートを最大8000Hzまで高めることが可能で、ラピッドトリガーにまで対応している。実際に試してみよう。

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 Razerが展開するゲーミングキーボード「Huntsman」シリーズは、光学式キースイッチを武器に、ひたすらに“応答速度”を追求してきた。その最新モデル「Razer Huntsman V3 Pro 8KHz」は、第2世代の「Razerアナログオプティカルスイッチ」と、最大8000Hzのポーリングレートを組み合わせた、まさにプロゲーマー向けのフラグシップキーボードだ。

 ラインアップはフルサイズ(テンキー付き)とテンキーレス(Razer Huntsman V3 Pro Tenkeyless 8KHz)の2種類で、いずれも日本語配列と米国英語(US)配列を選択できる。カラーはフルサイズはブラックのみ、テンキーレスはブラック/ホワイト/Esports Green Editionの3種類を用意している。直販価格は、フルサイズが4万1880円、テンキーレスが3万6980円(Esports Green Editionは1000円増し)だ。

 今回、Razer Huntsman V3 Pro Tenkeyless 8KHzの日本語配列/ブラックモデルを試用する機会を得た。デザインから操作感、実際の使用感まで確認してみよう。

Razer Huntsman V3 Pro 8KHz
Razer Huntsman V3 Pro Tenkeyless8KHzのテンキーレス/日本語配列のブラックモデル

テンキーレスでもややズッシリとした設計

 Razer Huntsman V3 Pro Tenkeyless 8KHzのボディーサイズは約363(幅)×139(奥行き)×38(高さ)mmで、重量は約719.5gとなっている。テンキーレスモデルらしくコンパクトだが、重量はやや重めだ。

 外装はシンプルなデザインで、トッププレートには航空機グレードのアルミニウム合金を採用している。金属特有の冷たい質感と高い剛性感を兼ね備えており、見た目にも高級感がある。

 内部にはPCB下部とボトムケース部に2層の高密度フォームを配置し、タイプ時の反響音や空洞感を抑えており、落ち着いてタイピングできるようになっている。

上面
本体上面には、ヘアライン加工を施したアルミニウム合金プレートを採用し、高剛性と上質な手触りを両立している
実測重量
今回のレビュー機の重量は、実測で738gだった

 底面には2段階調整のキックスタンドを備え、角度は「6度」「9度」の2種類で調整可能だ。底面の滑り止めラバーは5カ所に配置されている。自重がそこそこあるのも相まって、ゲームプレイ中に不用意に動くことはなかった。

底面
底面には5カ所にゴム足がある
キックスタンド
キックスタンドは6度/9度の2段階に対応している

着脱式ケーブルを採用 キートップは高耐久設計

 PCとの接続は有線のみで、ケーブルは着脱式となっている。本体側の端子はUSB Type-Cで、上面から見て左側(背面から見て右側)にある。右利きの人が使う場合はケーブルがマウスと干渉しづらいが、左利きの人は、マウスとケーブルの干渉に若干の注意が必要かもしれない。

 ケーブルを着脱できるようにすることで持ち運びや片付けがしやすくなるのは大きなメリットだ。ハイエンドのゲーミングキーボードはケーブル着脱式が多いので、複数のキーボードを使い分けている人は入れ替えもしやすい。

USBポート
キーボードの上部右側に有線接続用のUSB Type-Cポートを備える

 キートップ(キーキャップ)はダブルショットPBT(ポリブチレンテレフタレート)製で、長期間使い続けてもテカりにくく、指先の滑りを抑えるマットな仕上げとなっている。側面のエッジ処理も滑らかで、タイピング時の引っかかりがない。

キートップ
キートップはダブルショット加工を施したPBTを採用している

 上面の右上には、マルチファンクションダイヤルと2つの専用コントロールボタンを搭載する。ダイヤルは適度なクリック感と、滑らかなトルク感を併せ持ち、細かな調整を確実に行える。音量や輝度の調整の他、ユーティリティーアプリ「Razer Synapse」経由で任意の機能を割り当てることができる。

本体右上
上面の右上に配置されたマルチファンクションダイヤルと2つの専用ボタン

Razer Syanpseなしでもある程度の設定が可能

 矢印(方向)キーの上にはLEDアレイを備えており、モード切り替え時の状態や調整値を視覚的に確認できる。アクチュエーションポイントやラピッドトリガーの設定中は点灯パターンが変化し、現在の設定を即座に把握できる。

 キーボード単体でも、このLEDアレイを確認しながらアクチュエーションポイントやラピッドトリガーの感度を簡易的に調整できる。設定は内蔵メモリに保存され、Razer Synapseを介さずに同じ操作感を再現可能だ。Fnキーとの組み合わせでは、「Snap Tap」機能のオン/オフもワンタッチで切り替えられる。

 競技シーンやLANパーティーなど、アプリを導入できない環境でも同じ設定を維持できる点は魅力といえよう。

LEDアレイ
矢印キー上部のLEDアレイ。設定モード中はインジケーターの点灯で調整値を視覚的に確認できる

 付属のマグネット式レザーレット製リストレストも完成度が高い。キーボードにシームレスにフィットする設計で、人間工学に基づいた角度が手首を自然に支える。硬質なパッド構造により沈み込みが少なく、長時間のゲームプレイでも姿勢を安定できる。

 質感と装着感の両面で上位機らしい仕上がりだ。

付属品
本製品には本体の他、有線接続用のUSBケーブルとリストレストが付属する

光学式アナログスイッチと8000Hzポーリングで高速応答を実現

 Huntsman V3 Pro 8KHzシリーズに搭載される第2世代のRazerアナログオプティカルスイッチは、光学式の検知機構でキーの押下深度をリアルタイムで読み取る。物理接点が存在しないため、原理上「チャタリング」が発生せず、応答の一貫性に優れることがメリットだ。また、磁気式センサーとは異なり金属部品や外部磁場の影響を受けにくいこともメリットといえる。

 キーのアクチュエーションポイント(押下認識点)は0.1〜4mmの範囲で個別に調整できる。浅めに設定するとわずかなタッチで入力できる一方で、深めに設定すれば誤操作を防ぎやすくなる。押下圧は約40gと軽めで、長時間のプレイでも指への負担が少ない。

 プレイスタイルやタイトルごとに最適化できる柔軟さを備えている。

オプティカルスイッチ
キースイッチは、第2世代Razerアナログオプティカルスイッチを採用。アクチュエーションポイントを0.1〜4mmの範囲で調整可能だ

ラピッドトリガーにも対応

 本機はラピッドトリガー機能にも対応する。設定を有効にすると、キーを離した瞬間に入力がリセットされる。急停止(ストッピング)や連続移動を多用するFPS(一人称視点シューティング)ゲームにおいて、これまでのメカニカルキーボードでは実現できなかった精密な操作を可能にする。

 さらに、Razer独自の「8000Hz HyperPolling」技術により、1秒間に最大8000回の入力信号をPCへ送信可能だ。スイッチ作動からUSBポートに信号が届くまでの実効レイテンシー(遅延)はわずか0.58msとされ、1000Hz対応モデルより約11%高速化している。

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