AIゴリ押し戦略が招いた代償 Windows 11変革期におけるMicrosoftの苦悩:Windowsフロントライン(2/2 ページ)
AI推進の手を緩めないMicrosoftだが、ことWindows 11においてはAI戦略の見直しが迫られている。その現状を見ていこう。
「余計なお世話」か、進化か
おそらく、「PCのOS」という概念が変化する端境期において、MicrosoftはWindowsをその時代に適合させようともがいているものの、多くの既存のWindowsユーザーは従来の機能性こそが普段の作業には必要であり、Microsoftの一連の動きは「余計なお世話」という認識なのだろう。
ただ、「NPU」というAI時代に重要となるハードウェアが先行して与えられた中で、Microsoft自身がそれを持て余しており、有用な形でアピールできていなかったのも事実だ。結果として、大量のネガティブなフィードバックを得てWindows開発チームに衝撃を与える形になった。
ウォーレン氏が先のレポート内で触れていた「Windows Insider Programが効果的に機能していない」という指摘も気になる。
もともとは開発者のみならず“Windowsのファン”も含めて新機能を積極的に試してもらい、そのフィードバックを得るという形でWindows 10時代に利用が進んでいたものだが、ここ数年はほとんど機能しておらず、特に2025年は新機能と呼べるものはほぼ試せる状況にない。
遠因として、こういったコミュニティとの隔絶もユーザーの“Traction”を得にくくなっている理由として挙げられるかもしれない。コンピューティングの世界において、今後AIが重要な要素であることは間違いないものの、実際のユーザーと開発者側でまだまだ意識の乖離(かいり)があることも確かであり、いかにそのギャップを埋めていくかが今後の同社の課題になるはずだ。
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