Core Ultra(シリーズ3)の最高峰「Core Ultra X9 388H」の実力は? ベンチマークテストから見えたこと(3/4 ページ)
Intelの「Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)」が発表されて約4カ月が経過した。搭載PCも少しずつ増えてきたが、その最上位製品「Core Ultra X9 388H」を搭載する製品は、それほど多く市場に出回っていない。そこで、ASUSの「Zenbook DUO(UX8407)」を通してその実力をチェックしてみたい。
CPUコア以外の性能が加味されるとどうなる?
ここからは、CPUコア以外の要素も影響するテストを進めていく。
PCMark10
まず、PCの総合的な性能をチェックする「PCMark 10」の総合スコアを比べるとこうなる。
- Core Ultra X9 388H:9531ポイント
- Core Ultra 7 258V:8454ポイント
以前であれば、一般的なノートPCの総合スコアは3000〜6000ポイントくらいが相場で、それ以上を狙うなら独立GPUを搭載する必要があった。
その点、Core Ultra 7 258Vでも十分に高いスコアを記録しているのだが、Core Ultra X9 388Hはそれを上回るスコアで、あと少しで1万ポイントに到達するレベルとなっている。最新世代のデスクトップ向けのミドルレンジCPUに、エントリー/ミドルレンジの外部GPUを組み合わせた環境の結果にも近い。
外部GPUを搭載しなくても、とても快適なノートPC――その現実味がより増したといえる。
3DMark
次に、3DMarkで“本業”である3Dグラフィックスの描画性能をチェックしていく。
今回はDirectX 11ベースの「Fire Strikeシリーズ」と、DirectX 12ベースの「Time Spyシリーズ」、そしてDirectX 12におけるリアルタイムレイトレーシング性能をチェックできる「Port Royal」を実行した。結果は以下の通りだ。
- Fire Strike(フルHD)
- Core Ultra X9 388H:1万3558ポイント
- Core Ultra 7 258V:8458ポイント
- Fire Strike Extreme(WQHD)
- Core Ultra X9 388H:6508ポイント
- Core Ultra 7 258V:4247ポイント
- Fire Strike Ultimate(4K)
- Core Ultra X9 388H:3405ポイント
- Core Ultra 7 258V:2257ポイント
- Time Spy(WQHD)
- Core Ultra X9 388H:7271ポイント
- Core Ultra 7 258V:4364ポイント
- Time Spy Extreme(4K)
- Core Ultra X9 388H:3485ポイント
- Core Ultra 7 258V:2059ポイント
- Port Royal
- Core Ultra X9 388H:4070ポイント
- Core Ultra 7 258V:1729ポイント
仕様面で断りを入れると、GPUのコア数はCore Ultra X9 388Hが12基、Core Ultra 7 258Vが8基で、アーキテクチャ的には大きな変化はない。そして最大動作クロックは、Core Ultra X9 388Hの方が少し高い。
コア数だけで単純計算すると「Core Ultra X9 388HはCore Ultra 7 258Vの1.5倍の性能」となるが、Fire Strikeシリーズのテストはおおむねその通りとなった。
しかし、負荷がより大きいDirectX 12を使ったテストでは、軒並みそれを上回る性能向上を果たしており、特にPort Royalでは約2.35倍のスコア向上を果たしている。 これは、Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)において、Xeコアを中心に細かい改善を積み重ねた“たまもの”だろう(参考記事その1/その2)。
少なくとも、Core Ultra X9 388HのIntel Arc B390は、エントリークラスの外部GPUと同等かそれ以上の性能は確保できている。語彙(ごい)力がなくて恐縮だが、正直「これはすごい」とうなってしまった。
ベンチマークを実行中の動作を見ていてもフレームレートが高い、動きがなめらかだと感じられるシーンは多かったことも付け加えておく。
FF14/15 ベンチマーク
もう少し「実際のゲーム環境」に寄せたテストをしてみよう。まず試したのは「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」だ。これをあえて「最高画質」にして、フルHD(1920×1080ピクセル)とWQHD(2560×1440ピクセル)の2種類の解像度で実行してみた。
結果は以下の通りだ。
- フルHD
- Core Ultra X9 388H:8376ポイント
- Core Ultra 7 258V:4169ポイント
- WQHD
- Core Ultra X9 388H:5391ポイント
- Core Ultra 7 258V:3282ポイント
WQHD解像度になると差は縮むものの、Core Ultra X9 388Hのスコアは「これは本当に外部GPU積んでないんですか?」と疑問が湧くほどに高い。フルHD解像度なら、最高画質設定でもストレスなく遊べる。
続いて、FF14ベンチマークよりも負荷の高い「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(FF15ベンチマーク)」を高品質設定でフルHD/WQHD解像度で実行してみよう。
PC版FF15は、約8年前にリリースされたゲームだ。しかし、現在でも比較的負荷の重い部類に入り、少なくともCPU内蔵のGPUで遊ぶのは厳しいことが多い。果たして、Core Ultra X9 388Hはどうなのか?
結果は以下の通りだ。
- フルHD
- Core Ultra X9 388H:4994ポイント(やや快適)
- Core Ultra 7 258V:2893ポイント(やや重い)
- WQHD
- Core Ultra X9 388H:3797ポイント(普通)
- Core Ultra 7 258V:2357ポイント(重い)
Core Ultra X9 388HはフルHD解像度なら「やや快適」、WQHD解像度でも「普通」判定となった。さすがにシーンによっては画面がカクついたように見えることもあるので、実際のゲームプレイは高品質よりも少し画質設定を落とせば快適に遊べるだろう。
Cyberpunk 2077
では、もっと重いゲームは動かすことができるのだろうか。「Cyberpunk 2077」の設定画面内にあるベンチマーク機能を使って平均フレームレートをチェックしてみよう。
Core Ultra X9 388HやCore Ultra 7 258Vの内蔵GPUを使う設定にしてCyberpunk 2077を起動すると、プリセット画質設定は「レイトレーシング:低」となる。今回は、この設定をベースに、Intelのフレーム補間機能「Intel Xe Frame Generation」と、超解像技術「Intel XeSS Super Reolution 2.0」を有効にして出力解像度をフルHDとWQHDの2種類で計測することにした。
参考に、より負荷の重い画質設定プリセット「レイトレーシング:オーバードライブ」でも同じ設定を有効にして計測している。結果は以下の通りだ。
どちらも解像度設定はフルHD(1920×1080ピクセル)、WQHD(2560×1440ピクセル)でテストを行った。結果は以下の通りだ。
- レイトレーシング:低
- フルHD
- Core Ultra X9 388H:83.85fps
- Core Ultra 7 258V:44.08fps
- WQHD
- Core Ultra X9 388H:65.32fps
- Core Ultra 7 258V:34.27fps
- フルHD
- レイトレーシング:オーバードライブ
- フルHD
- Core Ultra X9 388H:32.68fps
- Core Ultra 7 258V:13.13fps
- WQHD
- Core Ultra X9 388H:24.87fps
- Core Ultra 7 258V:10.15fps
- フルHD
「レイトレーシング:低」の設定だと、Core Ultra X9 388HではWQHD解像度でも平均フレームレートが60fpsを超える。さすがに、デスクトップPCでも現行のミドルレンジ以上のGPUでないと動作が厳しい「レイトレーシング」の設定では、平均30fps前後と滑らかとはいえない状況にはなるものの、「内蔵GPUでもCyberpunk 2077をそこそこ遊べる」という事実は、進化を感じるポイントだ。
アーマードコア6
ついでに「アーマード・コア6」の平均フレームレートもチェックしてみた。こちらは特別に高負荷なゲームというわけではないが、発売以降筆者がずっと楽しんでいるので「ノートPCで遊べたらいいな」という思いもあって試した次第である。
今回は画質設定は「最高」にした上で、フルHDとWQHDの2つの解像度でゲーム前半の難所である「ウォッチポイント襲撃」を120秒間プレイした際の平均フレームレートを計測している。フレームレートの計測は、「CapframeX」を使っている。
結果は以下の通りだ。
- フルHD
- Core Ultra X9 388H:65.9fps
- Core Ultra 7 258V:31.5fps
- WQHD
- Core Ultra X9 388H:43.7fps
- Core Ultra 7 258V:30.8fps
アーマード・コア6はフレーム生成はもちろん、超解像技術にも対応しない。しかし、フルHD解像度では平均60fps以上、WQHD解像度でも43.7fpsと、ノートPCの内蔵GPUとしては良い成績を出している。
同作はゲーム機向けにも供給されている。一般的なTVのリフレッシュレートが60Hzであることを考えると、解像度こそ最新ゲーム機には及ばないものの、4K未満のTVと組み合わせた際の動作と近いゲーム体験が得られそうだ。
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