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発売前からベストセラー:ミニバイヤーズガイド「1Q84」

村上春樹7年ぶりの長編「1Q84」が、小説内に登場するアイテムまで含めて大ヒット中だ。

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 発売前から予約が殺到し、増刷が決まった村上春樹7年ぶりの大作「1Q84」が大ヒット街道驀進中だ。発売後2週間もたたずに100万部を突破し、出版業界にとっては久しぶりの明るい話題となっている。これから読もうという方のために、物語には触れないでおくが、氏の集大成的ともいえる作品だ。

 イスラエルの文学賞「エルサレム賞」授賞式の「壁と卵」スピーチが話題になった後、という出版のタイミングも絶妙だった。

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 しかもベストセラーとなっているのは、本そのものだけでなく、小説中に登場するアイテムにまで及んでいる。まず、元ネタともいうべきジョージ・オーウェルの「1984年」だが、タイミングよく新訳が7月に登場、こちらも順調に部数を伸ばしている。

 「1984年」は、1948年に発表された近未来ディストピア小説。厳格に管理された全体主義国家によって統治された社会の恐怖を描いた作品だ。最近では1985年にマイケル・ラドフォード監督、ジョン・ハート、リチャード・バートン出演で「1984」のタイトルで映画化もされたが、残念ながらDVD化はまだのようだ。興味のある人はレンタルビデオを探してみてほしい。

 ジョージ・オーウェル原作の作品では、1954年にイギリスのハラス&バチェラーの手でアニメ化された「動物農場」をDVDで見ることができる。ちなみに「動物農場」原作の売上げも伸びているようだ。ちなみにアニメ「動物農場」は、三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー提供作品で、DVDには宮崎駿監督のインタビューが封入されている。

 また、小説内で引用されているチェーホフの「サハリン島」も、長らく品切れ状態だったものが、新装版で発売されるなど読者を獲得している。。

 小説だけではない。冒頭から登場するヤナーチェクの「シンフォニエッタ」も着うた配信されるほど話題を呼んでいる。主人公青豆が購入するLPは、ジョージ・セル指揮、クリーブランド管弦楽団演奏盤(下の左の盤)。聴くと想像より明るい曲なので意外かもしれない。チェコの作曲家、ヤナーチェクは一般的にそれほどなじみのない作曲家だが、今回一躍脚光を浴びた形だ。

 もちろん作者の村上春樹作品も読者を増やしている。村上作品を欠かさず読んでいるモバイル担当G記者に、「1Q84」で初めて村上作品を読んだ人へのおススメを聞いたところ「ノルウェイの森」だった。

 ドラマやCMとのタイアップでヒット曲が生まれるのがこれまでの主流だったが、今後は小説とのコラボも増えてくるのかもしれない。まぁここまで話題となるほどのベストセラーが、そうそう登場してくれるとは思えないが。

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ドラマで使われるケータイたち

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