できるビジネスマンのノウハウ伝授
第2回 FAXは手書き? ワープロ? それとも……(4/4)
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及川先輩 「でも、だいじょうぶ。簡単に調整できるの。レイヤーっていうんだけど、重なり合った画像やフィールドを画面の前面や背面に持っていくことができるのよ。貼り込んだ画像を背面に持っていって固定すれば、残りのフィールドを自由に動かせるから、ドラッグ&ドロップでフィールドの位置を移動させ、FAX用紙の画像に合わせることができるの。ほら、こんな風に。フォントの大きさ、書体、フィールドの罫線も簡単に調整できるし。このレイアウト設定は、へたなワープロより操作が簡単だってわかるでしょ」

サンプルデータを表示させてみる。これで、FAX画面の出来上がりだ
田中君 「ほんとだ。こりゃいいや。ありがとうございます、いいことを教えてもらって」
及川先輩 「いいのよ。だいたいこんなところかな? FAX送信状の詳細画面はこれでいいとして。ところで、田中君、FAX送信状がたくさん溜まったら、その中からどうやってお目当てのものを探すつもり?」
田中君 「検索して探そうかと思ったんですが、やっぱり一覧表示があったほうがいいですね。でも、会社名で調べたいこともあるし、日付で見たいこともあるし、名前で、というのもあるし……」
及川先輩 「はっきり決まっていないのなら、こういうのはどうかな? 表計算ソフトみたいな表示ができるの」
及川先輩が見せてくれたのは、「表形式」というレイアウトモードで、レコードが表計算のように表示される。各々のフィールドの幅もマウスで自在に伸縮することができるのだ。

「表形式」では、フィールドの順序、幅をブラウズモードでもリアルタイムで変更できる。表計算ソフトのような使い勝手だ
田中君 「これ、結構いいですよねぇ。慣れた表形式だから、わかりやすいし。でも、ソートはどうやるんですか?」
及川先輩 「いちばん上のフィールド名のところを右クリックすると、『昇順でソート』『降順でソート』というメニューが出てくるでしょ? そこでソートできるのよ」
田中君 「これなら表計算ソフトより便利じゃないですかあ」
ためてあったワープロのファイルからデータベースへ各項目のデータをコピペして移していく。ファイルが全部で20個ほどだったので、一時間程度で移す作業が完了。実際に印刷してみると、いとも簡単にプリンタから「FAX送付状」が印刷された。「豊玉映像」に提出した納期回答のFAXを検索する実験をしてみた。
「相手先の会社名」フィールドに「豊玉映像」、「本文」フィールドに「*納期*」と指定して検索を実行してみると、目的のレコードを発見することも見事に瞬時に成功。

会社名と本文内容で検索すると、一発で目的のFAXを探し当てることができた
これなら何百回分のFAXがあっても大丈夫。それに、同じような内容のFAXを送るときには、以前に作成したFAXの複製を作成して、必要な部分だけを修正すれば、一挙に効率アップ……。
足りないところ
竹内先輩 「田中、何作ってるの? なんかデータベース?」
田中君 「FAXのデータベースを作ってるんですよ。これでもうワープロのテンプレートファイルは無用の長物ですね」
竹内先輩 「FAXのデータベース? なんだそれ?」
田中君 「及川先輩にヒントをもらって、はじめは半信半疑で作ってみたんですが、なんだか良い感じで使えそうなんです」
竹内先輩 「どれどれ、ちょっと見せてみな。ほう。なるほど、こうなってるのか。ふーんそうか……。こりゃ便利そうだな。これ、コピーさせてくれ」
田中君 「じゃあ、あとでメールに添付して送っておきますね」

なるほどFAX送付状をデータベースにしてみると、何かと便利になった。新しいFAX送付状を作りたいときは、過去に送付したFAXから、同じ相手先を簡単に検索して複製する。次に、タイトルや本文を消して、必要な部分だけを入力していくと、短時間でFAX送付状が作れてしまう。
及川先輩のアドバイス、よかったぁ。おかげで、FAXが苦手でなくなった。楽だし、スピーディになるし。
翌日出社すると、竹内先輩がなにやらファイルメーカーProをいじってる。
田中君 「あれ、僕のFAX送付状データベース。何をいじってるんですか?」
竹内先輩 「ぼくの、じゃないよ、もう『オレの』だ」
田中君 「でも、見た目は僕があげたファイルと、そんな変わってないですよ」
竹内先輩 「大きく違うんだよ。田中が前に作った顧客情報データベースがあったろ。あれとFAX送付状を連携させてるんだよ」
田中君 「へぇ、そんなことってできるんですか?」
竹内先輩 「それができないと、せっかく顧客情報データベースにFAX番号とか名前とか入ってても、それをFAX送付状に入れ直さなきゃいかんだろ。そりゃ、たいへんな時間のロスだよ」
たしかにそのとおりだ。「できるだけ、既にあるデータや情報を生かす」というのが大切なことだ。一度作ったものは無駄にしないようにしなければ。
竹内先輩が言っていた「連携」。僕もぜひやってみたい。でも、竹内先輩は簡単に教えてくれそうにないから、こんど及川先輩にお願いしてみよう。「連携」って、具体的に何のことか、どうするのか、今はまだわからないけど、これでまた世界が大きく広がりそうな予感がする。
[高岡幸生(ジェネコム), ITmedia
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