ワイヤレスデータ通信市場が堅調な伸び、大きな潜在需要も――矢野経済研究所調べ:調査リポート
厳しいといわれる携帯市場で、ワイヤレスデータ通信の契約数が堅調な伸びをみせている。2009年度のデータ通信サービスの契約数は前年度比148%の867万に達すると予想され、2014年度には契約数が3000万弱まで伸びるとみられる。
矢野経済研究所は11月24日、ブロードバンドアクセス市場に関する調査結果を発表した。調査は主要通信キャリアやISP事業者などを対象に、7月から10月まで実施。同調査ではブロードバンド市場を「固定系ブロードバンド市場」「ワイヤレス系ブロードバンド市場」の2つに分類しており、固定系ブロードバンドにはFTTH、DSL、CATVアクセス、ワイヤレス系ブロードバンドには、3G・3.5G、WiMAX、LTE、XGPなどの規格が含まれる。
2009年度のワイヤレス系ブロードバンドサービスの契約数は、データ通信系が約867万で前年度比148%、公衆無線LANが約796万で前年度比107%と推計。データ通信系サービスは順調に成長しており、その背景にはUMPC(Ultra Mobile PC)/ノートPC向けデータ通信端末の堅調な伸びやスマートフォン利用の増加、MVNOサービスの増加などがあるとみられるという。また同研究所は、個人向けサービスとしてのワイヤレス系ブロードバンドには、今後も大きな潜在需要があると推測している。
2014年度のワイヤレス系サービスの契約数については、データ通信系が約2879万、公衆無線LANが約1145万と予測。M2Mやテレマティクスなどの法人・業務系を中心とした通信モジュール型サービスの普及が、市場規模の拡大に貢献すると予想している。
矢野経済研究所は10月30日、ブロードバンドアクセスサービス市場と利活用市場の中期動向を展望するリポート「2009年版 ブロードバンド白書」を発刊し、固定系/ワイヤレス系の市場について2014年度までの動向を予測している。A4版、273ページの資料で、価格は15万7500円。
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