屋内測位で“ビルの何階か”までを推定――「PlaceEngine」に新機能、セカイカメラ 2.0に採用
クウジットが屋内位置測位サービス「PlaceEngine」のソリューションに、ビルなどの高さ情報を推定する「マルチフロア推定機能」を追加。フロアごとに異なる情報の出し分けに対応した。近日公開予定のセカイカメラ Version 2.0にも実装される。
クウジットは12月2日、同社の屋内位置測位サービス「PlaceEngine屋内位置測位ソリューション」に追加されたマルチフロア推定機能が、近日公開予定のセカイカメラ 2.0に搭載されると発表した。
PlaceEngineは、無線LANアクセスポイントからの電波情報を利用して屋内の位置情報を推定する技術。GPS衛星の電波が届きにくい屋内や地下でも、大がかりな施設を設置することなく位置情報を取得できることから、これまでも拡張現実サービスとして知られる「セカイカメラ」をはじめとする各種の位置情報連携サービスの屋内測位をサポートしてきた。
マルチフロア推定機能は、同じ緯度経度でフロアが異なるという情報を推定するもので、これまではPlaceEngine公開サーバ版やクウジットが提供するアプリケーション上に利用が限られていた。クウジットは新たにこの機能をPlaceEngine屋内位置測位ソリューションに追加。セカイカメラ Version 2.0や、セカイカメラを利用した京都国際マンガミュージアム館内案内での採用が決まったという。
マルチフロア推定機能が実装されることで、例えばセカイカメラでは、同じ緯度経度で階が違うところに張られたエアタグが同時に表示されることがなくなり、移動先の各フロアでそれぞれのフロアのコンテンツが表示されるようになる。
頓智・はマルチフロア推定機能が実装されたことで、複数階のビルや店舗、大規模商業施設などでのセカイカメラの利用機会の拡大が期待できるとしている。
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