ソフトバンクモバイル、1.5GHz帯のLTE屋外実験で下り最大70Mbpsを達成
ソフトバンクモバイルが2009年12月に開始したLTEのフィールド実証実験で、下り最大70Mbpsのスループットを達成した。
ソフトバンクモバイルは3月31日、1.5GHz帯を利用したLTEのフィールド実証実験において、下り最大70Mbpsのスループットを達成したと発表。同社は2009年12月に、1.5GHz帯を用いたLTEのフィールド実証実験を開始していた。
今回の実験では、福岡県北九州市八幡東区内のエリアで、LTEの標準仕様に準拠した3局の基地局を使用。基地局送信と移動局受信にはそれぞれ最大2本のアンテナを用いた下りMIMO伝送を使い、最大10MHzの伝送帯域幅を使用した。今回達成した下り最大約70Mbpsのスループットは、LTEの最大伝送帯域幅20MHzでの下り最大約150Mbpsに相当する。また、HSDPA方式と比較して、3D映像やオンラインゲームなどのリッチコンテンツをリアルタイムに伝送できることや、伝送遅延を大幅に短縮できることも確認できた。
あわせて、同社は複数の基地局装置を1個所に集中して設置し、基地局アンテナだけをビルの屋上に配置する「光張出し基地局構成」と、隣接する基地局が協調制御して移動局と送受信を行う「複数基地局協調伝送方式(ECO-LTE)」の基礎実験も実施した。光張出し基地局構成は、設置時の施工性の向上や運用コストの低減、光ファイバーで接続された基地局間の協調制御が容易になるという利点がある。光張出し基地局構成に複数基地局協調伝送方式を適用することで、干渉を受けやすいセル境界で、スループットが大幅に向上することが確認できた。
ソフトバンクモバイルは、今回のフィールド実証実験の成功を踏まえ、LTEの商用サービスに向けた準備をさらに進めるとしている。
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