3G通信対応のタクシー用デジタルサイネージ、ソフトバンクら5社が開発
コンテンツ配信やタクシー代の支払いにも対応――。ソフトバンクモバイルら5社が、タクシー車内に設置するデジタルサイネージメディアを開発した。
日本タクシー広告、トッパン・フォームズ、テレコムサービス、ソフトバンクモバイル、テレビ東京の5社が、タクシー車内に設置するサイネージメディア「タクシーチャンネル」を共同開発し、10月から試験運用を開始すると発表した。12月の正式運用に向け、インフラやシステムを整備するとともに、番組やCM放送枠を先行販売する。
5社が開発したのは、タッチパネル対応の7インチディスプレイとステレオの音声出力機能、ICカードリーダー/ライター機能を備えたデジタルサイネージデバイス。通信機能はソフトバンクモバイルの3Gネットワークと無線LANに対応し、テロップ表示機能やタクシーメーター連動システムも装備する。
ソフトバンクモバイルとテレコムサービスは、タクシーチャンネルにコンテンツを配信するための3Gネットワークを提供。トッパン・フォームズは、NFC対応のICカードリーダー/ライターを提供するほか、タクシーの料金メーターやNFCを利用した運賃の電子決済システムの開発、番組コンテンツと連動した電子決済に対応する技術の提供を行う。
テレビ東京は、12枠の番組と4枠のインフォマーシャル、32枠のCMで構成されるタクシーチャンネル向けのコンテンツ制作を担当。日本タクシー広告は、都内約4000台のタクシーへの設置や運用、媒体管理を行うとともに、無償無線LAN環境の提供や緊急時災害情報の提供、GPSナビゲーションシステムとの連動など、各種サービスの可能性を探る。
タクシーチャンネルのCM放映料金は4000台、15秒の基本枠で200万円を予定。ほかにも180秒の番組枠、60秒のインフォマーシャル枠についても順次販売を開始する。
5社は10月をめどにタクシー車内で試験運用を開始。10月中にはCM枠の販売を開始し、10月末からタクシー会社各社への設置作業を始める。以降、11月上旬にサービスをプレオープンし、12月上旬の正式運用開始を目指す。なお大阪、名古屋地区など全国主要都市への展開も検討しているという。
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