世界のスマホ出荷、2014年にフィーチャーフォンを逆転――矢野経済研究所調べ:調査リポート
矢野経済研究所が、世界の携帯電話とタブレットの出荷台数予測を発表。スマホの出荷台数は2014年にフィーチャーフォンを逆転し、タブレットの出荷台数は2015年にノートPCを逆転すると予測している。
矢野経済研究所が、スマートフォンとタブレットの世界市場の推移予測を発表した。スマートフォンの出荷台数は2014年にフィーチャーフォンを逆転し、タブレットの出荷台数は2015年にノートPCを逆転すると予測している。
進むスマホの二極化
矢野経済研究所は携帯電話の出荷台数について、2012年には前年比9.3%増の16億5890万台と予測。このうちスマートフォンの出荷台数は前年比47.7%増の7億台に達するとみる。スマートフォンは2014年にはフィーチャーフォンの出荷台数を逆転する見込み。2015年には携帯電話の出荷台数は20億台を突破するとみられ、スマートフォンはその6割を占めると予測している。
スマートフォンの成長の背景には、大手携帯電話メーカーの供給体制が整ったことや、世界各地の端末メーカーがスマートフォンの導入を開始したこと、新興国や発展途上国でもモバイル通信用基地局の整備が進んでいることなどが挙げられる。
今後は新興国や途上国へも低価格端末を中心としたスマートフォンが普及すると予想され、中国、インドなどのアジア諸国で出荷台数を伸ばしているアジアの新興メーカー製低価格スマートフォンが、いずれ先進国市場にも広がる可能性があるという。
スマートフォンはまた、ハイエンド製品とローエンド製品との二極化が進む可能性が高いといい、矢野経済研究所はハイエンド端末市場に進出する新興メーカーが既存メーカーの脅威になりうると指摘。世界市場で生き残るためには、高いブランド力や製品開発力、製品供給能力が求められるとしている。
タブレットは当面、7インチが主流に
2012年のタブレットの出荷台数については、2011年の6195万台を大幅に上回る1億1180万台と予測。参入メーカーが増え、製品数が大幅に増加したことに加え、7インチクラスの製品が相次いで登場したことが市場の拡大を加速させたと分析している。
7インチタブレットは約250〜400グラムと軽量で、スマートフォンの画面サイズでは満足できないユーザーや、ノートPCの代用として利用するユーザーが増加していることから、矢野経済研究所では、当面7インチクラスが主流になると予測。2015年にはタブレットがノートPCの出荷台数を上回り、出荷台数は2億3780万台に達すると予測している。
調査は2012年7月〜10月にかけて、海外携帯電話・スマートフォンメーカー、海外製造受託企業、海外PC メーカー、国内移動体通信サービス事業者、国内携帯電話メーカー、国内部品メーカー、業界団体を対象に行った。
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