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レトロな航空機「ユンカース Ju52」でフランクフルト上空を散策秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(3/4 ページ)

今回のドイツ渡航は、ルフトハンザの“新”と“旧”の取り組みに触れることが目的だった。バイオ燃料フライトを体験した私たちは、続いて同社が維持・保管する伝説の名機「ユンカースJu52」のフライト取材に向かう。

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独特のコルゲート構造

 ジュラルミン製の波板に覆われた主翼を、興味深げに眺めている人がいる。この波板外板(コルゲート)の機体はユンカースが得意としていた構造で、これにより重量を増やさずに機体の強度を上げることに成功した。

飛行機と空と旅
ユンカース製航空機の特徴である波板外板(コルゲート)構造

 機体の正面に回り、3発のプロペラの前で記念撮影をしていたのは、ロンドンから来たという年配の婦人だ。写真を撮り終わったあとも、大きなプロペラをじっと見上げている。Ju52のオリジナル機は、機首にBMWエンジン1基をつけた単発機として1930年に離陸した。その後、エンジンの非力さをカバーするため、左右の主翼にもエンジンを装備した3発機として進化。ユンカースというと、現在はこの3発型のJu52/3mのほうが一般に知られている。

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左右の主翼にもエンジンを装備し、3発機としたことでパワー不足を解消

 乗客に集合の合図がかかり、キャプテンの挨拶につづいて安全面に関する簡単な注意事項が伝えられた。Ju52のコクピットにはパイロット2名とフライトエンジニアの計3名が乗り、客室には男性キャビンクルー1名が乗務する。乗客の定員は16名。グランドスタッフのシュタインさんは「どのフライトも1週間前には席の予約が埋まってしまいます」と話していた。

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キャプテン(中央)による搭乗前のアナウンスが始まった

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