アルファ ロメオの正統な後継者、「ジュリエッタ」がもたらすものとは何か
フィアットは、アルファ ロメオ ジュリエッタを2月4日に発売する。スポーティさとエレガントさを両立した3つのグレードを展開し、価格は318万円~388万円。
「ジュリエッタは、アルファ ロメオの伝統の正統な後継者なのです」――2012年1月5日、フィアット グループ オートモービルズ ジャパンは、アルファ ロメオ ジュリエッタ(Alfa Romeo Giulietta)を披露した。国内の発売は2月4日だ。
3代目ジュリエッタは、アルファ ロメオらしいスポーティな走りとエレガントなスタイリングを両立。輸入車ではドイツ系メーカーが90%近いシェアを持つCセグメントの5ドアハッチ市場において、乗り手の感性に訴えかけるイタリアンな色気で勝負する。
投入するグレードは、エントリーグレードの「スプリント(Sprint)」、装備を充実した「コンペティツィオーネ(Competizione)」、6速MTに直噴ターボエンジンを搭載する「クアドリフォリオ ヴェルデ(Quadrifoglio Verde)」の3つ。スプリントとコンペティツィオーネは1.4リッター ターボマルチエアエンジンと6速乾式デュアルクラッチミッションのAlfa TCTを採用する。
グレード | エンジン | トランスミッション | 価格 |
---|---|---|---|
スプリント(Sprint) | 1.4リッター ターボ マルチエア | 6速デュアルクラッチ | 318万円 |
コンペティツィオーネ(Competizione) | 358万円 | ||
クアドリフォリオ ヴェルデ(Quadrifoglio Verde) | 1750 直噴ターボ | 6速MT | 388万円 |
「エンジン オブ ザ イヤー 2010」を獲得した1.4リッター直列4気筒マルチエア インタークーラー付きターボエンジンは、最高出力125キロワット(170馬力)/5500rpm、最大トルク230ニュートンメートル/2250rpm(ブースト時には250ニュートンメートル/2500rpm)を生み出す。
一方、最上位グレードのクアドリフォリオ ヴェルデには、アルファ ロメオの名車「6C 1750」にあやかり“1750”の名前を冠する1742cc直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボを採用。最高出力は173キロワット(235馬力)/5500rpm、最大トルクは300ニュートンメートル/4500rpm(ブースト時には340ニュートンメートル/1900rpm)を発揮する。
全グレードで、3つの走行モードを持つ「アルファ ロメオ D.N.A.」システムを搭載する。Dはオーバーブースト機能によって出力を高め、急ブレーキ時の制動距離を短縮するブレーキプリフィル機能が作動する「ダイナミック」モード、Nは燃料消費を最小限に抑え、快適でスムーズな走行を実現する「ノーマル」モード、Aは横滑りを感知してグリップの悪い路面でも安定した走行が可能になる「オール ウェザー」モードを意味する。
エクステリアはイタリアンな雰囲気をまとう。フロントグリルには、アルファ ロメオの伝統的な盾型グリル。新しい解釈により、フロントバンパーと一体化し、左右のエアインテークの間に配置した。ヘッドライトには、LEDデイライトが組み込まれた。これは日本からイタリア本社への強い要請により、常時点灯が可能になったもの。
サイドビューは、なだらかに後傾するクーペのようなラインを持ち、俊敏さを想起するウェッジシェイプのボディにまとめた。後席ドアハンドルをウインドウフレームと一体化して、すっきりとした形状に。リアエンドも路面をしっかりととらえるような力強さを強調したデザインだ。
インテリアでは、スプリントにボディカラーと同色の赤と白、グレーのインストルメントパネルを用意。上位2モデルには黒を基調としたインテリアに映えるダークブラッシュドアルミニウムパネルを採用する。ラゲッジ容量は350リットル(後席バックレスト収納時には1045リットル)を確保した。
ボディサイズは4350×18000×1460ミリ(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2635ミリ、車両重量は1400キロ(クアドリフォリオ ヴェルデは1440キロ)。全グレードともに右ハンドル仕様で、乗車定員は5人だ。
ジュリエッタがもたらすのはイタリアンな感性
ジュリエッタが属する輸入車Cセグメントの2011年のシェアは、ドイツ系メーカー3社が90%近くを占めている。しかし、アルファ ロメオ 147が導入された2002年ごろをみると、そのシェアは50%程度だった。
海谷博樹プロダクトマネージャーは、「ドイツ系メーカーの販売努力の結果であることは間違いないが、ユーザーに提供する多様性が薄れているのも事実。ユーザーがドイツ車に期待するものは機能面が大きいが、おしゃれな感じがする、デザインがいいといったエモーショナルな興味に対するミスマッチがあり、アルファ ロメオには感性的なものが求められている」と分析する。
つまり、アルファ ロメオは“伝統”とイタリアンな感性を前面に押し出して、ドイツ系ブランドに対する独自の価値と新しい選択肢の提供を選択した。それは、スポーティな運転することの楽しみであったり、イタリアンプロダクトとしてのデザイン性、素材の上質感であったりする。もちろん、安全面でも十分な性能をもち、2010年のEuro NCAP(欧州自動車アセスメントプログラム)の安全性能評価において5つ星を獲得している。
フィアット グループ オートモービルズ ジャパンでは、発売にあわせて「I Am Giulietta.|THE DRIVE ART」と題するキャンペーンを展開する。これは新進気鋭のアーティストに実際にジュリエッタに乗ってもらい、そこから得られたインスピレーションを基に独自のアート作品をWebサイト上で公開するもの。2月5日公開の第1回では、フラワーアーティストの東信(あずま まこと)さんが作品を発表する予定だ。
関連記事
- 「クルマ・バイク」インデックス
- アルファレッドをまとった「MiTo」特別仕様車
フィアットグループオートモービルズジャパンは4月16日、アルファロメオミトの特別仕様車2モデルを発売した。伝統のボディカラー「アルファレッド」が復活する。 - デュアルクラッチAT「Alfa TCT」を搭載したAlfa Romeo MiTo
フィアットは、新型Alfa Romeo MiToを発売した。価格は、スプリントが278万円、コンペティツィオーネが292万円。 - アトランティックブルーのアルファ147スペチアーレ
青いアルファ147スペチアーレにフォーカスを当てたイベント「Romance in Blue」が6月11日に行われた。青はイタリアでも2010年のキーカラーという。 - アルファロメオの新型スポーツカー「4C コンセプト」
アルファロメオはジュネーブモーターショーにおいて、小型のミッドシップスポーツカー「4C コンセプト」を初公開した。2012年に発売予定のアルファロメオの新型スポーツカーのプロトモデルだ。 - 「アルファロメオ・ジュリエッタ」が日本初公開
フィアットグループオートモービルズジャパンは7月22日、来年日本導入予定のニューモデル「アルファロメオ・ジュリエッタ」を日本で初めて公開した。「東京コンクール・デレガンス」の模様も。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.