第57鉄 2つの塔でパノラマくらべ――鹿島臨海鉄道でRPG(?)な旅:杉山淳一の +R Style(5/5 ページ)
郷愁を誘うローカル線に乗って、非日常を楽しむ旅へ出かけよう。神社、湖、2つの塔……そんなロールプレイングゲームのキーワードを結ぶ赤いディーゼルカーが、茨城県であなたを待っている。
海と陸の景色を堪能し、2つめの塔も制覇した。夕陽を眺めたいところだけれど、この日は節電のため17時30分で終了。日没は18時だから惜しい。1階に降りて、土産物屋を見物した。ここで私は巡回バス「海遊号」があると知った。1日7回の運行で、歩いた方が駅に早く着きそうだが、おもしろそうだから乗ってみる。やってきたバスは小さめながら、座席が窓に向かっているなど楽しい配置になっていた。
大洗駅から大洗鹿島線で水戸に着く頃には日がとっぷりと暮れていた。水戸駅と言えば駅弁で「納豆弁当」があったような……と思ったら、地元の駅弁業者は2010年に撤退してしまったそうだ。残念。
今回の電車賃
鹿島神宮―長者ヶ浜潮騒はまなす公園前 鹿島臨海鉄道 390円
長者ヶ浜潮騒はまなす公園前―北浦湖畔 鹿島臨海鉄道
北浦湖畔―大洗 鹿島臨海鉄道 350円
大洗―水戸 鹿島臨海鉄道 610円
大洗マリンタワー―大洗駅 バス「大洗海遊号」 100円
鹿嶋市大野潮騒はまなす公園 展望塔 300円
大洗マリンタワー入館料 330円
※鹿島臨海鉄道は70歳以上を対象に一日フリー乗車券(1000円)を販売中
※バス「大洗海遊号」は一日乗車券(300円)もある。マリンタワー入館料割引など特典付き
※東京―鹿島神宮 JR東日本 1890円 水戸―東京 JR東日本 2210円
ただし週末の場合は 「ウィークエンドパス(2300円)」+「水戸―土浦乗車券(950円)」の方が850円安い。青春18きっぷもオススメ。
著者プロフィール:杉山淳一
肉食系鉄道ライター(魚介類が苦手)にして、前世からの鉄道好き。生まれて間もなく、近所を走っていた東急池上線の後をついていったという逸話あり。曰く「いつもそばを走ってたから、あれが親だと思った」
日本工学院大学非常勤講師(テキスト商品学)。コンピューター系出版社でゲーム雑誌の広告営業を経験した後、フリーライターとなる。オンライン対戦ゲーム、フリーウェア、PCテクニカルライティングなどデジタル系の記事を専門とし、日本初のEスポーツライターとしてオンライン対戦ゲーム競技を啓蒙する。
趣味は日本全国の鉄道路線探訪で、現在の路線踏破率は約8割。著書は『もっと知ればさらに面白い鉄道雑学256(リイド社)』『知れば知るほどおもしろい鉄道雑学157(リイド社)』『A列車で行こう9 公式ガイドブック(エンターブレイン)』『A列車でいこうDSナビゲーションパック(アートディンク:同梱冊子担当)』など。
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