CX-5、大柄なボディに似合わぬワインディング走行での安心感:試乗インプレッション(4/4 ページ)
ガソリンエンジンを搭載した「CX-5 20S」を、高速道路、一般道、ワインディングで試乗した。その乗り味をレポートしてみたい。
路面状況によっては気になるハーシュネス
なお、高速道路での走行は安定している。ある程度のロードノイズや、継ぎ目を超えた際のハーシュネス(振動)などは入って来るものの、不快に感じるレベルではない。通常のクルージングのレベルであれば、余計なストレスを感じることはほとんどないだろう。
ただし、時速90キロを越えた辺りから、スピードを上げるにつれ風切り音が徐々に大きくなってキャビン内に入ってくる。また、車体が大柄で重心が高い割に車重が比較的軽いせいか(1440キロ)、風の影響も受けやすいようだ。
ちなみに、一般道で中低速域を中心に走行した際には、高速走行時より若干ハーシュネスが気になった。荒れた路面では、はっきり「ドン、ドン」という衝撃がドライバーズシートまで伝わってくる。
恐らくは、先に紹介したリニアで締まった走りの裏腹ともいえる挙動なのだろう。やはり乗り心地ふわふわの高級セダンや、高速ツアラーとは根本的にジャンルが異なるクルマなのだと実感する。
SKYACTIVエンジンならではの好燃費
冒頭でも紹介したとおり、全身フルSKYACTIV仕様となったCX-5。やはり走りのパフォーマンスだけでなく、多くの人がその燃費性能も気になっているのではないだろうか。
ちなみに、今回の試乗で走った距離は約200キロで、その内訳は約半分が高速道路、約4割が一般道、そして残り1割ほどが山道だった。しかも、特にエコな運転を心掛けたわけではなく、むしろクルマの特性を確認するために積極的にアクセルを踏む場面も多かった。
にもかかわらず、トータルでの燃費はリッター13.3キロを記録した。普段から燃費に気を遣った運転を心掛けていれば、この数字はさらに向上するはずだ。ちなみに、マツダが公表する公式スペックではリッター16キロ(JC08モード燃費)なので、この手のクルマの実効燃費としては決して悪くない数字だろう。
最後に、今回試乗したモデル「CX-5 20S」のコストパフォーマンスの高さを挙げておきたい。注目のディーゼルではなくガソリンエンジン、そして4駆ではなく2駆のモデルではあるが220万円〜というプライスは、個人的にはお買い得感が高いのではないかと思う。
もちろん、実際に購入を検討する際には、ディーゼルエンジン仕様や4WD仕様との価格差や、燃費も含めたランニングコスト、さらには個々のドライバーの嗜好などの選択基準が加わるため、コストパフォーマンスの良し悪しを一概に述べることはできない。
誠 Styleでは、近くディーゼルエンジン仕様車のインプレッションもお届けする予定なので、もしCX-5の購入を検討しているのであれば、ぜひそちらも参照されたい。
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