赤外線で手の動きを検知、ジェスチャーで操作できるパイオニア「楽ナビ」:CEATEC JAPAN 2012(2/2 ページ)
パイオニアは、普及価格帯の市販カーナビゲーションシステム「楽ナビ」の新製品に、手を近づけたり、横に振ったりする動作によって、よく使う機能を操作できる「エアージェスチャー」を搭載した。
赤外線センサーでジェスチャーを認識
エアージェスチャーにおける手の動きは、カーナビ画面の下部に組み込んであるセンサーモジュールによって認識している。センサーモジュールは、左端と右端に設置した赤外線を出力するユニットと、モジュールの中央部に設置してある、画面の前にかざした手によって反射される赤外線を検知するユニットから構成されている。
このセンサーモジュールによって、カ―ナビ画面の前約15センチに手を近付けたり、手を左右に振ったりというジェスチャーを認識している。
エアージェスチャーによる誤動作をなくすために、手を左右に振る動きが小さいときには反応しない。「手の動きが画面の上を横切るくらい、画面の片方の端部から、もう一方の端部まで手を振らないと操作できないような設定にした」(同社の説明員)という。
「Air-navi」は終息へ
会見には、パイオニアの上席執行役員でカーエレクトロニクス事業統括部長を務める黒崎正謙氏が登壇した。黒崎氏は、今回の楽ナビの発表に合わせて、同社の市販カーナビの製品ラインアップを再編成する方針を示した。
従来は、ハイエンドモデルの「CYBER NAVI」、普及モデルでハードディスクを搭載する「楽ナビ」とフラッシュメモリを搭載する「楽ナビLite」、そしてPND(Personal Navigation Device)である「Air-navi」を展開していた。
今後は、ハードディスクを搭載するハイエンドモデルのCYBER NAVI、フラッシュメモリを搭載する普及モデルの楽ナビという2つのブランドに集約する。Air-naviは、今回の楽ナビに合わせて「AVIC-MP55」という新製品を発表しているものの、順次終息させる方針である。
ただし、「PND市場向けには、楽ナビのポータブルタイプの製品を展開していく。国内のPND市場は、スマートフォン市場の急拡大によって2年連続で右肩下がりではあるものの、車両組み込み型のカーナビと共存する余地はあると考えている」(同社)という。
実際に、今回発表した楽ナビのポータブルタイプでは、地上デジタルテレビ放送用に、受信環境が悪い車室内でも安定してテレビ放送波を受信できる、4チューナ×4アンテナを搭載している。同社は、ポータブルタイプのカーナビに4チューナ×4アンテナを搭載するのは初の事例だとしている。
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