アウディのハイパフォーマンスモデル「S Model」の実力は?:試乗インプレッション(5/5 ページ)
S6 AvantとS8に試乗することができた。これだけのハイパフォーマンスモデルに乗る機会はそうそうないだけに、いつも以上にテンションが上がる試乗となった。
4気筒モードの動作は極めてスムーズ
ちなみに、シリンダー・オンデマンドの動作もしっかり試してみた。仕様上は、「エンジン回転数が960〜3500」「速度が時速25キロ以上」「ギアが3速以上」という条件がそろったときに自動的に4気筒モードに切り替わるとされている。
だが、実際にはこれに加えて「アクセルを完全に抜かず、ほんの少しだけ空けたパーシャル状態」という条件が加わるようだ。実際、高速道路を巡航中にパーシャル状態を維持していると、比較的すぐに4気筒モードに切り替わった。
8気筒モードから4気筒モードへの切り替えは実にスムーズで、切り替わった後も振動やノイズが増すことはまったくない。実際には、今どちらのモードで走行しているのかドライバーが気付くこともないだろう。唯一、4気筒モード時にインパネに「4気筒モード」と表示されるのを見て、「ああ、切り替わっていたのか」と分かるのみだ。
冒頭で紹介した4気筒モード時の振動とノイズを抑える機構は、確実に効果を発揮している。なお、この気筒休止システムとアイドリングストップ機構を組み合わせることで、燃費はリッター9.6キロ(JCO8モード燃費)と、この手のハイパフォーマンスエンジンとしては優れた数値を達成している。
メーカーのチューンドモデルというと、燃費や快適性をある程度犠牲にしてでも高パフォーマンスを追及したスパルタンなモデルというイメージが強いかもしれないが、今回登場したアウディのS Modelはハイパフォーマンスと効率性、さらには高い快適性までをも先進テクノロジーを駆使して両立させることを目指している。環境性能が車選びの重要なファクターとなった今、高級スポーティカーがこれから進むべき方向性を示唆しているといえるのかもしれない。
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