トヨタ、最大60キロの減速に対応するプリクラッシュセーフティを開発

追突時の速度域が時速40キロ〜60キロという高い速度域に対応する衝突回避支援システムを開発。近々に発売する新型車から順次展開していく。

[岡田大助，Business Media 誠]

　国内外の自動車メーカーがこぞって開発を進めている「ぶつからない」技術。トヨタ自動車は、死傷事故が増えるといわれる追突時の速度域が時速40キロ〜60キロという高い速度域に対応するプリクラッシュセーフティシステム（PCS）を開発した。新システムは近々に発売する新型車から順次展開していくという。

プリクラッシュセーフティシステム（出典：トヨタ自動車）

　トヨタのPCSではミリ波レーダーを使い、追突の可能性がある場合にドライバーに警報ブザーとディスプレイ表示で警告を行う。ドライバーがブレーキを踏んだ場合には、踏む力が一般的なドライバーの2倍近くになるまでアシストして最大で時速60キロの減速を実現する。また、ブレーキを踏まない場合はシステムが自動的に時速15キロ〜30キロの減速を行って衝撃を和らげる（自動制動は時速15キロ以上で作動する）。

　トヨタでは、追突事故が対停止車両だけでなく、急減速した先行車などの移動車両との間でも発生していることに注目。例えば、追突事故の90％以上は前走車との速度差が時速60キロ以内で起きているという。

　同社では「実際に生じている追突事故のデータに基づいたシステム開発を目指しており、今回のシステムで業界トップレベルの追突事故低減効果を達成」したとコメントする。