日産の新型「シルフィ」、5つの改良を加えた新型エンジンで燃費向上(2/2 ページ)
日産自動車の新型「シルフィ」は、新開発の排気量1.8リッターガソリンエンジンを搭載する。気筒の内径よりも行程を大きくするロングストローク化などによって燃費を大幅に向上した。
新型エンジン、5つの改良ポイント
MRA8DEの改良ポイントは主に5つある。1つ目は、エンジン気筒について、シリンダーボア(内径)よりもピストンストローク(行程)を大きくするロングストローク化である。既存のMR18DEは、内径が84.0ミリ、行程が81.1ミリだった。MRA8DEでは、内径を79.7ミリまで狭める一方で、行程を90.1ミリに伸ばしてロングストローク化している。
このロングストローク化によって、ピストン速度が向上して燃焼速度が高まり、内径の縮小で火炎伝播(でんぱ)距離も短くなるので、燃焼効率が大幅に向上した。さらに、燃焼室の表面積も小さくなるので、冷却損失も低減できている。
2つ目のポイントは、吸気側と排気側の両方に可変バルブタイミング機構を備える「ツインVTC(Valve Timing Control)」の採用だ。これにより、吸気バルブと排気バルブの開口タイミングを広く重複できるので、排気ガスをシリンダー内部に逆流させてポンピングロスを低減できるという。
3つ目となるバルブリフター上面のDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングと、4つ目となる形状が上方に向かって細くなる軽量のビーハイブバルブスプリングの採用では、摩擦損失の低減を実現している。最後の5つ目は、エンジン回転数が高い領域でも高出力を確保できるパワーバルブの採用となっている。
このMRA8DEに加えて、新型ノートでも採用している副変速機付きのCVT(無段変速機)や空力性能の向上によっても燃費向上の効果が得られているとしている。
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