日本初公開の日産デルタウイング、まるでステルス戦闘機のようだ:東京オートサロン2013
従来よりも少ない燃料でルマン24時間レースの完走を目指す次世代レーシングカー「NISSAN DELTAWING」。東京オートサロン2013において国内で初めて披露された。
日産自動車が米デルタウイング レーシング カーズらと共同開発し、2012年のルマン24時間レースでデビューした「NISSAN DELTAWING(日産デルタウイング)」。東京オートサロン2013において国内で初めて披露された。通常のレースカーが使う半分の燃料とタイヤでのレース完走を目指して開発を続けている。
デルタウイングは一見、三輪車のように見えるが、れっきとした四輪車だ。全長は4.65メートルと一般的なサイズだが、フロント部分の全幅は0.76メートル、リア部分は2.08メートルと、名前のとおり三角形に近い形状をもっている。なお、全高は1.03メートルで、ホイールベースは3.05メートルとなる。
ミシュランが特別に開発したフロントタイヤは直径23インチ(約58センチメートル)、幅4インチ(約10センチメートル)という小ささ。同じくミシュランがタイヤを供給し、2011年のルマンを制したアウディ R18のフロントタイヤが直径28インチ(約71センチメートル)、幅14インチ(約36センチメートル)ということからも、デルタウイングの特異性が分かるだろう。
また、フロントウイングやリアウイングが存在せず、その代わりに飛行機のような垂直尾翼を備えていることも、従来のレーシングカーデザインから一線を画している。空気抵抗係数(Cd値)は0.24と非常に小さい。ダウンフォース(クルマを押さえつける力)は、車体の下と地面の間を流れる空気を早く流すことで発生させている。
エンジンは、日産JUKEの1.6リッター直列4気筒直噴ターボエンジンをベースにチューンアップしたものを搭載する。最高出力は300馬力/7400rpm、最大トルクは310ニュートンメートル/4000〜6750rpm、最高速度は時速315キロで静止状態から時速100キロまで3.3秒で加速する。車重が475キロしかないので、パワーウエイトレシオ(1馬力当たりの重さ)は1.58キロと優秀な値になる(実際にはドライバーと最大40リットルの燃料の重さが加わるのだが)。
ちなみに、デビュー戦となった2012年のルマンは、次世代レース車両のための特別枠「ガレージ56」として、カーナンバー「0」(賞典外)を付けての出場となったが、トヨタの「TS030 HYBRID」(7号車)に押し出されてリタイアだった。
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