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G-SHOCKタイ工場が復興できたのは、従業員たちのおかげ――カシオタイ社長インタビュー:あの洪水から1年半(4/4 ページ)
2011年の大洪水で被災したカシオのG-SHOCKタイ工場。壊滅的な被害をどう乗り越えたのか? カシオタイ代表取締役社長の狩佐須完夫氏に話を聞いた。
――人件費がアップすれば、今後、自動化の要請が高まってくるのでは?
狩佐須 自動化は、大量に作るものであれば大きな効果を出せます。ただ時計の場合はモデル数が非常に多いため、自動化すると逆にコストがかかってしまいます。人に頼ることで現場コストは上がってしまいますが、それについては付加価値を高めることで、人件費アップの部分を押さえていきたいと思います。
カシオの時計というのは、シンプルな構造を持つスイス時計とは違って、さまざまな付加価値が入った商品です。まさしく「創造 貢献」というカシオの企業理念を集約した商品といえます。そのことをわれわれは商品企画ではなく、ものづくりの中で実践していきたいと思っています。
――今上期に被災前の水準に戻すということですが、今下期の生産レベルはどのくらいを目指していますか?
狩佐須 本社でさまざまな計画があるので一概にはいえませんが、カシオの時計事業の拡大に対して、カシオタイとしても貢献したいと考えます。私としては100%以上になると思います。具体的にいくつなのかはまだ分かりません。
――今後の展望は?
狩佐須 カシオの時計は価値を創造しています。仮に生産量は同じであっても、よりよいものを作れば付加価値は高まります。メーカーとしての役割は、世の中が喜ぶものを生み出していくこと。カシオの時計事業はこれからもいい商品を作り続けていきます。そして売り上げを伸ばし、その中でわれわれも貢献していきたいと考えます。
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