旅客機を安全かつ時刻表通りに送り出す「グラハンさん」:JALの舞台裏(2/4 ページ)
航空会社が一番重視するのは安全性、これは間違いない。では次に来るのは? そこに航空会社の特色を見てとれる。JALが選んだのは「飛行機を時刻表どおりに飛ばすこと」だった。
飛行機が到着してから送り出すまで、地上スタッフは何をしている?
今回は、宮崎空港から羽田空港に到着したボーイング737-800型機が、長崎行きとして出発するまでを取材した。羽田着が9時25分、羽田発が10時15分(使用機材、スケジュールは取材時のもの)なので、出発準備に使える時間は50分だ。ただし、宮崎からの乗客が全員降りるまでに時間がかかるし、長崎行きの乗客はおよそ20分前から機内に案内するため時間との戦いとなる。
機体がスポットに停止すると、ただちに前輪に車輪止めがはめられる。そして乗客が乗り降りするボーディングブリッジが伸びてくる前に、機体へ外部から電力を供給するコードや端末が接続される。また、すでにこの段階で荷物室のドアは開放されており、荷物を運び出すためのベルトコンベアを備えた「ベルトローダー」が近づいていく。ここまでの作業を客室の扉が開く前に終わらせているのだ。
737-800型機の場合、機内預け荷物はそのままの形で機体に収納されている。荷物室に入った地上スタッフが素早く荷物をベルトローダーへと送り出し、別の地上スタッフが運搬用コンテナへと乗せ替えていく。もちろん、時間との戦いとはいえ荷物を投げるようなことはない。ひょっとしたら荷物を預けた乗客本人よりも早く、その荷物は機外へと運び出されているかもしれない。
実はこのとき、別の地上スタッフたちも“臨戦態勢”にある。機内清掃スタッフとケータリングサービススタッフだ。彼らは乗客全員が外に出るまでは機内に入れない。清掃スタッフはボーディングブリッジの外側にある階段から降客の様子をうかがっているし、ケータリングトラックは荷台を高く伸ばしてドアが開かれるのを待っているのだ。
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