遺産は時計に内部にも受け継がれる――コラムホイール クロノグラフ:LONGINES HERITAGE COLLECTION(2/2 ページ)
1832年の創業以来、クロノグラフの名門として評価されてきたロンジンは、優れた技術力を持ったメーカーとして歴史を刻んできた。傑作ムーブメントの数々は、形を変えて現在まで受け継がれ、過去の名声を伝えてくれる。
機械式時計ならではの味を楽しむ
「ロンジン コラムホイール クロノグラフ」に搭載されるのは、Cal.L688.2という自動巻き式のクロノグラフムーブメント。前述のETA社がロンジンのために設計・製造しているムーブメントで、クロノグラフ機能の作動を「コラムホイール」というパーツを使って行う点が特徴になる。
コラムホイールとはその名の通り、コラム(=円柱)の付いた歯車のこと。プッシュボタンを押すたびにこのパーツが少しずつ回転して、クロノグラフのスタート、ストップ、リセットを制御している。小さいながらも重要パーツであり、精密な加工が求められることから、主に高級モデルに使用されることが多い。カチッと柔らかく心地よい“押し感”が、時計愛好家から愛されるマニアックな機構だ。
ロンジンでは“クロノグラフの王者”という遺産を明確にするために、コラムホイール機構を復活させ、さらに39ミリという現代においてはやや小ぶりなケースに収めた。シースルーバック仕様なのでETA社特製のクロノグラフムーブメントCal.L688.2を観賞でき、プッシュボタンを押せば、コラムホイールの精緻な動きをいつでも確認できるのがうれしい。
ロンジンのヘリテージコレクションは、どうしてもデザインばかりに目が向きがちだ。確かに過去の遺産を受け継いできたヴィンテージスタイルには、タイムレスな価値があり、今の感性に照らし合わせても十分に魅力的だ。
しかしロンジンの実力は、搭載されるムーブメントにも宿っている。優れたクロノグラフで時計史を切り開いてきたコラムホイール式クロノグラフからも、ロンジンならではの“伝統の味”を感じることができるだろう。
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