井上雄彦とガウディが時空を超えて“コラボ”した美術展、六本木で開催:7月12日から9月7日まで
未完の大聖堂「サクラダ・ファミリア」などで有名な建築家、アントニ・ガウディと日本の漫画家、井上雄彦がコラボレートした美術展が開催される。
東京・六本木の森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ 森タワー52階)で、7月12日から「特別展 ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」が開催される。
本展示会は、「日本スペイン交流400周年(参照リンク)」を記念した文化事業として開催するイベント。1882年の着工以来、今なお建造が続く大聖堂、サクラダ・ファミリアなどのデザインを手がけた建築家として有名なアントニ・ガウディの生涯を作品と合わせて紹介しつつ、『SLAM DUNK』『バガボンド』『リアル』などを作品を生み出した漫画家、井上雄彦氏が約40点の描き下ろし作品でガウディの人間像に迫るというものだ。
開催期間は2014年9月7日までで、開催中は無休。開館時間は10時から20時(最終入場19時30分)。イベントに合わせて、六本木ヒルズ内のレストランではコラボレーションメニューが登場するほか、トークイベントなどの開催も予定されている。
井上雄彦がガウディから学んだこと
井上雄彦氏がガウディを描くことになったのは、「日本スペイン交流400周年」の親善大使に任命されたことがきっかけだ。井上氏はガウディを描くために、2014年4月から1カ月、スペインのバルセロナに滞在し、サクラダ・ファミリアが見える場所に住居を、ガウディの建築物「カサ・ミラ」にアトリエを構えたという。
記者発表会に登場した井上氏は、ガウディを描いた感想として「ガウディを1カ月間学んで、建物のインパクトに引き込まれ、その奥にある考え方や感情に興味を持った。建造物は時間によって光の当たり方が変わり、表情が変わるので面白い。イラストを描くときに、ガウディのいろいろな面を表現したいと思っていたが、そう簡単にできるものではなかった。結局、僕とガウディに共通点があるとしたら、と思った点を描いた」とコメント。
展示会を通じて、ガウディから影響を受けた点もあったようだ。「今回は和紙に絵を描く機会があったが、絵を描いていない間の時間も大事だという発見があった。墨を擦るといった、道具を用意したり片付けたりする時間に新たな発見があったり、自分と向き合って気付きを得ることもあることは勉強になりました」(井上氏)
本展示会は今後、石川県の「金沢21世紀美術館」や宮城県の「せんだいメディアテーク」といった全国の美術館で巡回展示を行う。巡回のスケジュールは以下の通り。
場所 | 開催期間 |
---|---|
森アーツセンターギャラリー | 2014年7月12日〜2014年9月7日 |
金沢21世紀美術館 | 2014年10月4日〜2014年11月5日 |
長崎県美術館 | 2014年12月20日〜2015年3月8日 |
兵庫県立美術館 | 2015年3月21日〜2015年5月24日 |
せんだいメディアテーク | 2015年6月3日〜2015年7月12日 |
関連記事
- 行ってよかった美術館、博物館はどこ?――トリップアドバイザー
旅行クチコミサイト「TripAdvisor」が、この1年に寄せられたクチコミを基に「行ってよかった美術館&博物館ランキング2012」を発表した。 - 庵野秀明館長「特撮博物館」から考える特撮とアニメの関係
毎年好例となった東京都現代美術館におけるスタジオジブリ制作の企画展。今年は『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督が館長となり、特撮展示が行われることとなった。今回は特撮とアニメの関係性や、それを通じて見えてくる世界的な映像のトレンドを分析する。 - 近づいたら自動で通知──シフト、「iBeacon」用いた博物館向けO2Oシステムを提供
お店に近づいたら、展示物の近くで……あなたのスマホへ自動通知。シフトがiBeacon/Bluetooth LEを用いた博物館、美術館向け自動プッシュ通知システムを開発した。 - 46.2%の人が「美術館に行かない」――その理由は?
美術館に足を運ぶ人はどのくらいいるのだろうか。iMiリサーチバンクの調査によると、41.5%の人が「1年に1回以上」美術館に足を運んでいることが分かった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.