世界で一番乗り継ぎが便利な空港はどこ?――答えは「ウィーン空港」:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(2/4 ページ)
世界で一番「乗り継ぎ」が便利なハブ空港は? それを考える際に参考になるのが、乗り継ぎに必要な“最低時間”を示す「MCT」という指標。MCT最短の空港は、ウィーン国際空港。オーストリア航空のほか、ある有名F1ドライバーが経営するLCCもここを本拠地としている。
欧州のほぼ中央に位置するウィーン空港
欧州に点在する魅力的な旅行先の中には、日本から直行便で行けない都市も多い。そうした都市を目指す場合は、どのルートでアクセスするかの選択を迫られることになる。迷ったときに私がまず候補に挙げるのが、オーストリアの首都ウィーンを経由する旅だ。
ウィーンを勧める最大の理由は、やはり乗り継ぎの便利さにある。日本から毎日1便を運航するオーストリア航空のOS52便で11時20分に成田を発ち、現地時間の16時10分にウィーンに到着(2014年夏スケジュール)。そこから、実に67の都市に同日乗り継ぎができる。
世界地図を広げて見ると、便利さの秘密を理解できる。西欧と東欧、さらに北欧や南欧を含めても、ウィーンはそのほぼ中央に位置する都市なのだ。ウィーンを中心に1時間から3時間のフライトを想定した円を描いてみると、欧州のほとんどの都市がその円の中に収まってしまう。
では、パリのシャルル・ド・ゴール空港やロンドンのヒースロー空港と、乗り継ぎという観点で比べるとどうか。大都市にある巨大空港は就航路線数が多い代わりに、時間帯によっては発着便が集中し、それが“遅延”の原因になる。天候不良などによって到着が遅れる便が発生すると、空港上空の周回を管制塔から指示されて30分以上も着陸できないケースがあるのだ。ウィーンのようなコンパクトな規模の空港には、そうした混雑がない。だから最短25分での乗り継ぎが可能になる。巨大空港に付きものの、ターミナルを電車やバスで移動して乗り継ぐストレスも、ウィーン空港にはない。
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