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» 2006年09月28日 21時28分 UPDATE

シゴトハック研究所同時進行するタスクの“迎撃体制”【理論編】

1つの仕事だけやっていればいいというのは今は昔。複数の仕事を同時進行するのが当たり前になってきています。こんな状況を乗り切るためには、どのような“迎撃体制”を組んでいけばいいのでしょうか

[大橋悦夫,ITmedia]

今回の課題:種類の異なる大量のタスクをうまくさばく

状況説明:業務内容にもよりますが、今や、朝から晩までひたすら1つの仕事だけに関わっていれば済むという状況は一変し、多くの人が当たり前のように複数の案件なりプロジェクトなりを抱えて、それらを同時進行させているのが現状ではないでしょうか。

 そして、それぞれの仕事は社内外の関係者のタスクと密接にリンクしており、取り組む順番を間違えると時間のロスにつながったり、二度手間を生み出したり、といったリスクをはらんでいます。

 「気づいたら明日が提出期限だった!」と前日に気づいて慌てたり、「例の件、どうなってますか?」という先方からの問い合わせがあってようやく「思い出す」、といったことが起こりえるわけです。

 ここまで極端でないにしても、自分が抱えているタスクの量が頭で把握できなくなりつつあるという人は少なくないのではないか、と感じています。このような状況をうまく乗り切るための“迎撃態勢”について考えてみます。


コツ:タスクの性質に合わせて最適な時間帯に固める

 1つ2つのタスクなら「気合い」で乗り切ることができるかもしれませんが、大量になると、きちんと腰を据えて取り組む必要が出てきます。人間ですから、限界もありますし調子の山谷もあります。それゆえ、追究するべきは、正しい方法で取り組むことより、いかに自分のやる気をキープできるやり方を見いだすか、でしょう。

スケジュールの流れを1本にする

 複数の案件が同時進行している場合でも、一度にできるタスクは1つまでです。そのため、仕事に取りかかる前にその日のタスクを着手する順番に並べ替えておき、あとはこの順番に沿って脇目もふらずに次々とこなしていくのが最も効率のいいやり方となります。

 これは、1つのタスクを終えるたびに「さて、次に何をするか」と考えなくても済むようにするための工夫といえます。考える時間そのものはそれほど長くかかるものではありませんが、考えるたびに「うわ、まだこんなに残っているのか」あるいは「あぁ、これもやらないといけなかったっけ」という現実を再確認することになるため、心理的なプレッシャーにさらされることになり、精神衛生上あまりよくありません。

 こういった考える時間を一度で済ませるために、その日のタスクの着手順を最初に決めてしまうわけです。この段階でその日のスケジュールの流れが1本にまとまっていれば、たとえ途中で脱線しても戻るべき本線を見失わずに済みます。

タスクの配分を“前密後疎”にする

 タスクの順番を決める上では、自分がどの時間帯にどのようなモードになるのかをあらかじめ知っておく必要があります。そのヒントは作業記録から読み取れるはずです(作業記録については「時間の見積もりがうまくできなくて困る【理論編】」参照)。

 とは言え、ここは個人差が出るところですので、一般的な傾向をもとに対策を考えてみます。

 まず、一日のスケジュールを作る(=今日やるべきタスクを着手する順番に並べかえる作業)際には、“前密後疎”にします。つまり、前半はやや詰め込み気味にし、後半は空き気味にしておくわけです。例えば、午後以降は、3時間ごとに30分程度の空き時間を予定に入れておくようにします。

 また、同じ1時間であっても、朝の1時間と午後の1時間と夜の1時間はそれぞれ性格が異なります。一般的には、以下のような傾向があるでしょう。

時間帯 モード 外部環境 最適なタスク
エネルギー全開 比較的静か 一定時間集中して取り組みたいタスク
午後 中だるみ気味 飛び込み仕事が増える 手を動かすだけで済むタスク
疲れている ざわつき気味 タスクの整理と翌日のスケジューリング

 一言で言えば、朝は下り坂を駆け下りて、午後は平坦になり、夜になると登り坂になる、というイメージです。

 それゆえ、勢いのある朝に最大の力を発揮できるように、前の日の夜にタスクの整理や翌日のスケジューリングを済ませておくといいでしょう。そして、午前中に「その日にやるべきタスク」を終えてしまうぐらいの勢いで取り組みます。

 こうすることで、予定外の飛び込み作業が入ってきても午後に確保しておいた空き時間を解放することで対応の余地を捻出することができます。

 以上は、いわゆる朝型な人向けの対策になるため、前述の通り、作業記録をつけてみて、自分がどの時間帯に最もエネルギッシュに仕事ができるのかを把握し、これをもとにスケジューリングをするといいでしょう。

 種類の異なるタスクを同時進行させている場合でも、案件単位で取り組むのではなく、タスクに分解して、案件が異なってもモードが共通するタスクであればまとめて取り組むようにします。

 こうすることにより、時間を“デフラグ”することができる、すなわち今まで有効に使われていなかった小さな空き時間をかき集めてまとまった時間を作り、これを有効活用して仕事のスピードをアップさせることができるわけです。

筆者:大橋悦夫

仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)がある。


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