また法律によれば、寄付される廃棄食品の仕分けをするのはスーパーマーケット側だ。腐ったものやつぶれた食品などを排除するのは店側の責任になり、食べられないゴミが寄付に紛れ込まないようになっている。だが逆に、必要以上の食品が慈善団体などにどんどん流れて溢れ返り、「体のいいゴミ箱」に化す可能性も指摘されている。
さらには、廃棄処分にしない食品を誰が集めて、分配するのにいくらかかるのか、という問題もある。明らかにフランスのチャリティー団体などはさらなる人手が必要になるし、法律では、チャリティー側が食品を保管する冷蔵庫やスペースを確保する必要があるとしている。
フランスでも、これまで何も対策が行われていなかったわけではない。さまざまな食品関連業者から、困窮者に食料を配給する民間の組織やチャリティーに対して、これまでをまとめると10万トンの寄付が行なわれている。そのうち、3万5000トンがスーパーマーケットからの寄付食品である。
フランスが誇る世界的なスーパーマーケットチェーンのカルフールも、2013年から「反廃棄」運動を行っており、消費期限(期限を過ぎたら食べられない年月日)を伸ばしたり、フードバンク(食品メーカーやスーパーから出される賞味期限が近かったり、外装が汚れていることで廃棄されているが問題なく食べられる食品を再分配する組織)に売れ残り食品を再分配したり、ワケあり商品を売ったりもしている(参照リンク)。
以上のように、フランス国内では「必要ない」との意見も出ているのである。
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