“不毛時代”続いたカルビー「フルグラ」がなぜ急激に売れ出したのか?製造ライン増強で年間500億円目指す(3/3 ページ)

» 2016年05月24日 08時00分 公開
[伏見学ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

定番商品を作り出せ!

 フルグラは2018〜2019年度に500億円の売り上げ目標を掲げている。どのように達成を目指すのか。

 1つは新規顧客の開拓だ。フルグラは以前から働く女性をメインターゲットとしているが、今後の売り上げ拡大に向けてシニア層の取り込みも強化していく。

 「手間をかけずに食物繊維などの栄養素が容易に取れて、塩分は控えめなので、シニア層からもニーズは高いはず。しかし、まだまだ商品の認知が低いのが課題」と藤原氏は話す。例えば、医師など専門家のサポートを得ながら栄養価の高さをアピールなど、認知度を上げるための草の根的な活動を進めていく。

今ではスーパーマーケットなどのシリアル食品棚には各社のグラノーラ商品が所せましと並んでいる 今ではスーパーマーケットなどのシリアル食品棚には各社のグラノーラ商品が所せましと並んでいる

 もう1つは、商品ラインアップの拡充だ。現在、フルグラ全体の売り上げに占めるスタンダード商品の割合が高く、それ以外の商品との差が大きい。「当社のポテトチップスの『うすしお』『のりしお』『コンソメ』のトリオのような、強い定番商品を作っていく必要がある」と藤原氏は強調する。

 加えて、大容量サイズの販売も伸ばしていく。新設した製造ラインも主に大容量サイズ向けだ。一度に食べ切ることができない大容量サイズが売れるには、毎日食べても飽きない商品ブランドにすることが必須である。

 「『かっぱえびせん』のように、やめられずに最後まで食べてしまう。明日も、明後日も食べたくなるような商品をいかに作れるかが大切。現においしさや食感には自信があるので、その価値をもっと消費者に理解してもらえるようなマーケティングに力を入れていく」と藤原氏は意気込んだ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.