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» 2016年07月11日 08時00分 UPDATE

ビジネスパーソンの副業の落とし穴! 知らないと怖い「民泊ビジネスと法律」 (1/3)

もともと不動産投資に関心があり、インバウンド需要の盛り上がりに伴って「民泊ビジネス」に魅力を感じる――というビジネスパーソンも増えているのでは。しかし民泊ビジネスは現状、問題が多い状態にある。“落とし穴”にハマらないために必要な「法律」の知識とは?

[青柳美帆子,ITmedia]

 インバウンド需要が盛り上がっている。2015年の訪日外国人数は1900万人を突破し過去最高となり、旅行消費額も、通年で3兆円を超えた。英国のEU離脱による円高などの懸案事項はあるものの、2020年の東京オリンピックに向けて成長が予想されるこの市場は、決して無視できない大きさだ。

 ビジネスパーソンの中には、本業のみならず副業でもインバウンド関連ビジネスに興味を持っている人も多いはず。特に最近は、もともと不動産投資に関心のある人々が「民泊ビジネス」に魅力を感じる――というパターンが増えてきた。

「副業で民泊ビジネスをやりたい」と考えているビジネスパーソンも増えているかもしれない。しかしそこには落とし穴が……

 ……とはいうものの、民泊ビジネスは現状、気軽に運営するには問題が多い状態にある。あるビジネスパーソンAさんのケースを紹介しよう。

 「民泊の副業がオススメですよ」と民泊コンサルタント業者に勧められたAさん。民泊用のワンルームマンションを借り、利用者が過ごしやすいように内装を整備した。家賃や家具の購入などを含め、かかった費用は80万円。

 Aさんの民泊ビジネスは万全の状態でスタートした。最初のころは客が途切れがちだったが、徐々に軌道に乗ってきた。このままなら初期投資も回収できるかも――というタイミングで、マンションの管理組合からストップがかかってしまった。

 「うちのマンションで民泊をやってもらっちゃ困るんです」

 Aさんは何度も管理組合と話し合いの場を設けたが、返事はにべもない。結局、Aさんは初期投資を回収できないまま、民泊の営業を停止せざるを得なくなってしまった。Aさんに残ったのは、50万円超の損失だけ……。

 このAさんのケースは、現状「民泊ビジネスに関わってみたい」と思っている全ての人にとってあり得る話だ。Aさんのようになりたくないけれど、民泊ビジネスの法律についてよく分からない……そんな人へ、今更聞けない「民泊ビジネスのどこが違法?」について、民泊セミナーなどを積極的に開催している行政書士の石井くるみさんに聞いてみた。

 なお、行政書士とは、官公署や行政機関への許可・認可に関する行政書類、権利義務、事実証明に関する書類の作成、代理提出を行う。民泊ビジネスとは主に、「営業の許可」をとる書類を作成する際に関わっている。

民泊ビジネスのここが危ない――そもそも旅館業法違反

 石井さんによると、宿泊ビジネスを営む場合、基本的に「旅館業法」にのっとって旅館業の営業許可の申請をする必要があるのだという。旅館業法は4つのタイプがあるが、例えばホテル営業では「客室の数は10室以上」など施設面の条件のハードルが高く、副業や小さなビジネスでの申請は難しい状態にある。

 「知らない方も多いが、旅館業の申請をしないで民泊ビジネスをすることは“無許可営業”になる場合がある。旅館業法違反は、6カ月の懲役と3万円以下の罰金が科せられるリスクがある」(石井さん)

 3万円――と聞くと、「意外に安い」と思ってしまうかもしれない。この旅館業法、実は1948年(昭和23年)にできたまま、罰則が“値上がり”していない。インフレなどの影響があり、現状からみると若干低すぎる額面になっている。

 「ただし、最近は、旅館業法の規制緩和を進めようという話が出ている。それに伴い罰則の強化も視野に入っているので、今は低くても後々は高くなる可能性がある」

 お金や懲役以外のリスクもある。どんなに軽く見えても前科は前科。会社にバレて問題になったり、士業の場合は「前科がない」という前提で資格を得ているので、資格取り消しになったりすることもある。

 「“みんなやっているから大丈夫”というわけにはいかない」

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