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» 2016年07月23日 07時30分 UPDATE

宇宙ビジネスの新潮流:ビル・ゲイツや世界銀行も注目する衛星利用ベンチャーとは? (1/2)

今、衛星利用ベンチャーが数千万ドル規模の投資を受けるケースが増えている。そこにはビル・ゲイツ氏や世界銀行などが注目する新技術があるからだ。

[石田真康(A.T. カーニー),ITmedia]

 衛星業界では、今年に入ってから衛星の開発・製造ベンチャーではなく、衛星利用ベンチャーが数千万ドル規模の投資を受けるケースが増えているのをご存じだろうか。

 その理由は、米Microsoftの創業者で、世界一の億万長者であるビル・ゲイツ氏や、世界銀行などが注目するさまざまな新技術があるからだ。一体、どのような技術なのだろうか。

ビル・ゲイツ氏が注目する衛星利用ベンチャーとは?(出典:gatesnotes) ビル・ゲイツ氏が注目する衛星利用ベンチャーとは?(出典:gatesnotes

人工知能で地上の物体を“カウント”する

 観測衛星分野では、これまで米Googleに買収された米Skybox imaging(現:米Terra Bella)や米Planet labs(現:米Planet)などによる、小型衛星のコンステレーション(複数の衛星でシステム全体を構成する)が注目を集めてきた。そうした中、衛星自体は製造も保有もせずに、画像解析に特化するベンチャー企業が多数存在している。

 米Orbital Insightは、2015年に約900万ドル、2016年には約2000万ドルの投資を受けており、シリコンバレーで注目のビッグデータ解析ベンチャー企業だ。創業者兼CEOのジェームス・クロフォード氏は、過去にGoogle、気象データ解析ベンチャーの米Climate corporation、NASA(米航空宇宙局)などを渡り歩いてきた、AI(人工知能)やイノベーションソフトウェアのエキスパートである。

 同社の強みは機械学習による画像解析アルゴリズムだ。衛星およびドローン画像の中から地上のさまざまな物体、例えば、ビル、飛行機、道路、駐車場に止まっているクルマなどを人工知能が認識してカウントすることができる。これによって地球規模の変化を素早く捉えることができるのだ。活用する衛星画像は米DigitalGlobe、欧Airbusなど複数社と提携して取得している(※DigitalGlobeの最新鋭の衛星の分解能は約30センチメートル)。

世界銀行との共同プロジェクト

 Orbital Insightはこれまでに米国政府、大手資産管理会社60社以上などと契約・提携を行ってきているが、今、世界銀行とのプロジェクトが注目されている。

 世界銀行は、各国の貧困度調査を行っているが、従来の航空写真では判別ができなかったり、あるいは危険地域では情報収集が困難だったりしたため、数十カ国で調査が十分にできていなかった。

 そこにOrbital Insightの技術を使い、家やクルマの量、ビルの高さ、農地面積などを測定することで、経済発展指標としてのデータを収集できないかを検討している。現在はスリランカ地域での衛星画像分析結果と、世界銀行が保有するデータを比較することで、画像分析結果の有用性を検証している段階だ。

 同社が衛星画像解析で多様な産業向けに汎用的なサービス提供する一方で、さらに地上センサー情報なども統合、より複雑なモデル解析を行い、特定業界のオペレーションを高度化するためのサービスを行う企業もある。

 米Climate Corporationは農業業界向けに保険商品や営農支援システムを提供する。また、2015年に米IBMに買収された米Weather Companyは航空業界やエネルギー業界向けなどに高度なデータ解析サービスを提供している。

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