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» 2016年10月22日 07時30分 UPDATE

宇宙ビジネスの新潮流:数百機の衛星が打ち上がる時代がきた!? 進む小型ロケット開発 (1/2)

宇宙ビジネス分野において今、世界的に過熱するテーマが「小型衛星開発」だ。そのプレイヤーとしてベンチャー企業の台頭が目立ってきている。

[石田真康(A.T. カーニー),ITmedia]

 今、宇宙分野において世界的に過熱するテーマの1つが小型衛星開発だ。将来的には年間で数百機以上が打ち上がるという市場予測もある。その打ち上げ手段として期待が高まっているのが小型ロケットである。実はここでベンチャー企業の活躍ぶりが大きく注目を集めているのだ。

数百機の衛星によるメガコンステレーション

 これまで本連載コラムでも何度か取り上げてきたが、宇宙ベンチャー企業を中心に数キログラム〜数百キログラム前半の小型衛星を多数打ち上げて、地球規模の衛星システム(※星座を意味するコンステレーションと呼ばれる)を構築する計画が多数動いている。その狙いとは何だろうか。

 1つは衛星インターネット網の構築である。米OneWebは150キログラム級の衛星を900機打ち上げる計画を進めており、英SKY AND SPACE GLOBALも150〜200機の超小型衛星による通信システムを目指す。さらに、2015年1月に大々的に発表した後、水面下に潜っているが、カリスマ経営者のイーロン・マスク氏率いる米SpaceXも数千機の衛星を打ち上げて、衛星インターネットを構築する計画を発表している。

衛星インターネット網の構築を進めるOneWeb 衛星インターネット網の構築を進めるOneWeb

 もう1つが可視光センサーなどを搭載した衛星による地球規模のリモートセンシング網の構築だ。米Googleに買収された米Terra Bella(旧Skybox Imaging)は数十機の衛星システムを計画、米Planetは100〜200機の衛星を打ち上げる予定だ。日本の小型衛星ベンチャーであるアクセルスペースも2022年までに50機の衛星を打ち上げる計画を発表している。

 こうした“メガコンステレーション”計画により、将来的な小型衛星市場(50キログラム以下)は米SpaceWorksの予測では年間500機を超えるなど期待が高まっている。従来の大型商業衛星市場は主用途が静止軌道通信・放送衛星だが、年間20機強程度の打ち上げであることを考えると、機数の面ではけた違いである。

 では、小型衛星はどのような手段で打ち上げを行うのだろうか?

従来の大型ロケットには課題

 こうした小型衛星を打ち上げる手段は2つ。1つは大型衛星を打ち上げる大型ロケットの空きスペースを活用して相乗りする方法だ。もう1つは小型衛星を多数まとめて大型ロケットで打ち上げる方法である。

 実際、先に挙げた企業もこれまでは大型ロケットを活用してきた。例えば、Tera Bellaはロシアのソユーズ、インドのPSLV、フランスのアリアンなどで数機の衛星を打ち上げている。また、OneWebも仏Arian Spaceとの間にアリアンロケットによる29回の打ち上げ契約を結ぶなど、今後も大型ロケットの活用は続く見通しだ。

 他方で、大型ロケットによる打ち上げは小型衛星プレイヤーからすると課題も多い。相乗り打ち上げは、あくまで大型衛星が主顧客なため、小型衛星は打ち上げ時期や衛星の投入軌道を選ぶことができない。多数の衛星のまとめ打ち上げは似たような投入軌道でないと同時に行うことができないなど、さまざまな課題が存在するのだ。

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