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» 2016年11月26日 06時30分 UPDATE

繁盛店から読み解くマーケティングトレンド:新商業施設「中目黒高架下」の“新時代感” (1/3)

11月22日、中目黒駅の高架下に新たな商業施設「中目黒高架下」がグランドオープンしました。このところ盛り上がりを見せている「ナカメ」に誕生したこのショッピングセンターは一体どんな特徴があるのでしょうか?

[岩崎剛幸,ITmedia]

繁盛店から読み解くマーケティングトレンド

世の中の変化が激しく、何が成功につながるのかが分かりづらい現代社会。情報があふれる今、正しく未来を読むことは非常に難しくなっています。

このような時代に必要なのはファッズをつかむことです。ファッズとは小さな変化の波のことです。巷で流行り始めている店や、最近人が集まるようになってきた場所、売れ始めてきた商品などには大きな時流へとつながるヒントがあります。正しく未来を読むためにはファッズを見逃さないことが大切なのです。

この連載ではファッズをとらえて流行をつかむことをキーワードに、繁盛店から次のマーケティングトレンドを読み解きます。


 このところ、東京・中目黒が盛り上がりを見せています。サードウェーブコーヒーで有名な「ブルーボトルコーヒー」が新店舗をオープンしたり、2018年にはスターバックスコーヒーが国内初となる焙煎所併設の「スターバックス リザーブ ロースタリー」を開業したりするなど、話題に事欠きません。

 中目黒と言えば、「ナカメ」と呼ばれ、洒落たレストランやバーなどが立ち並び、おしゃれに敏感な若者が集まり、住みたい街で常に上位に挙がるなど、元々人気のスポットです。そんなこともあってか、平日、休日問わず、常に人々でにぎわっています。2015年度のデータを見ると、中目黒駅の1日平均乗降人員は、東急東横線が19万1065人(前年比1.6%増)、東京メトロ日比谷線が22万1142人(同2.6%増)と伸びています。

 そのナカメが今、さらなる注目を集めています。今週、新商業施設がグランドオープンしたからです。今回はその施設の特徴に迫ります。

ナカメが変わる

 2016年11月22日、東急東横線・中目黒駅の高架下に新しい商業施設「中目黒高架下」がグランドオープンしました。東京急行電鉄と東京地下鉄が共同で手掛けた施設です。

「蔦屋書店」も新コンセプト店舗をオープン。まさに高架下をそのまま使っている印象だ 「蔦屋書店」も新コンセプト店舗をオープン。まさに高架下をそのまま使っている印象だ

 ナカメは若者に人気の街。これまでは目黒川沿いにセンスの良い店がオープンしたり、冬にはLEDのライトアップがされたりすることもあり、駅からちょっと離れた場所が人気でした。それが今回は駅スグ。しかも高架下。ナカメ史上、最も好立地に人気店がオープンするということが画期的だと言えるでしょう。

 いわばナカメの駅下に新しいSC(ショッピングセンター)ができたようなものです。しかし、このSCは私たちがよく見掛けるようなSCではありません。

 商店街のような雰囲気を持っていて、しかも、いろいろなところで目にするチェーン店が連なるSCではありません。一店一店がこだわりを持っていて、ナカメという商圏特性を意識した、こだわりの専門店の集合体なのです。

 開発主の1社である東急電鉄は、実は既に学芸大学駅でも同様の開発を行っていて、線路の高架下を有効活用してきている実績があります。今回のナカメが初めてではありません。だからこそ上手に開発を進められたとも言えるのではないでしょうか。サラリーマンやオヤジ向けの店が多い新橋や御徒町などの高架下とは違い、ヤングビジネスマンや20〜30代女性が気軽に入れるようなセンスの良い店をそろえているのが特徴です。

中目黒高架下のアクセスマップ(出典:公式サイト) 中目黒高架下のアクセスマップ(出典:公式サイト)

 中目黒高架下は、中目黒駅周辺の高架下空間を約700メートルに渡って線状に開発するプロジェクトによってでき上がりました。これによって生まれたスペースに店舗や事務所など計28店舗が出店しています。

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