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» 2016年12月06日 18時44分 UPDATE

2017年から順次搭載:トヨタ、新型パワートレーンを開発 燃費2割向上

トヨタ自動車はエンジン、トランスミッション、ハイブリッドシステムを一新した新型パワートレーンを発表。走行性能や環境性能を向上させた。開発強化に向け、開発組織体制の見直しにも着手する。

[ITmedia]

 トヨタ自動車は12月6日、エンジン、トランスミッション、ハイブリッドシステムを一新した新型パワートレーンを開発したと発表した。動力性能を約10%、燃費を約20%向上させた。2017年以降の新型車に順次搭載し、21年には日本や米国などで販売する60%以上の車への搭載を目指す。

走行・環境性能を向上

 トヨタが進めている新しい開発手法「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)」による取り組みの一環。軽量・コンパクト化、低重心化、エンジンの高速燃焼、トランスミッションの多段化・高効率化などを目指して開発した。

 新型エンジンは、「Dynamic Force Engine」という名称の直列4気筒2.5リットル直噴エンジン。排気や冷却などに伴うエネルギーロスを少なくして熱効率向上と高出力を両立した。ガソリン車用エンジン、ハイブリッド車(HV)用エンジンの熱効率は、それぞれ世界最高水準の40%、41%を達成している。

 ほかにも、世界初の技術を取り入れた高速燃焼技術と可変制御システム、高レスポンス化や高トルク化を実現する技術などを採用した。

photo 新型の直列4気筒2.5リットル直噴エンジン「Dynamic Force Engine」

 トランスミッションは、8速・10速オートマチックトランスミッション(「Direct Shift-8AT・10AT」)を新開発。エネルギーロスを最小限にし、世界最高水準の伝達効率を達成した。

 具体的には、ギヤやクラッチなどを改善。ギヤの歯面の摩擦係数を低くする加工により、かみ合うときのエネルギー伝達ロスを減らした。クラッチについては、機構内の摩擦材の形状を改善することで、回転時の損失トルクを約50%低減した。

 ほかにも新技術を採用することで、アクセル操作への滑らかな反応、スムーズな変速など、実用的な走行性能を高めた。

photophoto 新型トランスミッション「Direct Shift-8AT」(左)と「Direct Shift-10AT」

 ハイブリッドシステム(「THS II」)については、新型プリウスに採用された技術を継承し、2.5リットルエンジン用ハイブリッドシステムを一新。さらに、マルチステージTHS IIを新開発したほか、プラグインハイブリッドシステムも一新した。

 マルチステージTHS IIは、低車速時からエンジン最大出力を引き出すことなどにより、HVの走りのイメージを変える発進加速性能や高速時の燃費向上を実現。プラグインハイブリッドシステムには、これまで発電機として使用していたモーターを走行用としても使用するデュアルモードドライブシステムを採用。また、大容量のリチウムイオン電池を採用することで、新型プリウスPHVの電動走行距離を従来モデルより2倍以上長い60キロ以上に伸ばした。

photo 新開発のマルチステージTHS II

 今回開発した新型パワートレーンを皮切りに、21年までの5年でエンジンを9機種・17バリエーション、トランスミッションを4機種・10バリエーション、ハイブリッドシステムを6機種・10バリエーション投入する計画。新型パワートレーンの燃費向上効果により、21年にトヨタが日本・米国・欧州・中国で販売する車からのCO2排出量は、15年と比べて15%以上削減できる見込みだという。

技術開発の「大部屋」化

 パワートレーンの開発強化に伴い、開発体制も見直す。これまでの基本姿勢「技術の内製化・手の内化」を見直し、「グループ横断的な大部屋」による共同開発を強化する。トヨタグループをはじめ、サプライヤーや協業自動車メーカーなどのリソースを効率的に活用して技術の早期確立を目指す。

 また、トヨタが先導してきたハイブリッド技術の開発スピードをさらに高めるため、ハイブリッド技術開発の人員を増強。17年から体制を見直し、21年までの5年で技術開発者を約30%増やす計画だ。

photo 12月6日開催した説明会

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