連載
» 2017年01月21日 08時30分 UPDATE

宇宙ビジネスの新潮流:2017年の宇宙ビジネス、ここを要チェック! (1/3)

米SpaceXの打ち上げサービス再開など、年明けから宇宙関連のビッグニュースが続いている。今回はますます勢いが増す宇宙ビジネス業界の2017年を展望したい。

[石田真康(A.T. カーニー),ITmedia]

 新年に入り、宇宙関連のビッグニュースが続いている。昨年10月に打ち上げ前の爆発事故に見舞われた米SpaceXのロケットが1月14日に打ち上げサービスを再開。翌日の1月15日には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、世界最小級の小型衛星搭載ロケット「SS520」4号機の打ち上げ実験を行ったが、途中で第二段モータの点火が中止された。残念ではあるが、世界的に見ても画期的な取り組みだ。

 今回は、ますます勢いが増す宇宙ビジネス業界の2017年を見通したい。

年明け早々、米SpaceXは打ち上げサービスを再開した(写真:SpaceX) 年明け早々、米SpaceXは打ち上げサービスを再開した(写真:SpaceX

世界(1):トランプ政権の宇宙政策

 民間宇宙ビジネスの取り組みが進む米国では、トランプ新政権の宇宙政策に注目が集まる。オバマ政権時代には2010年の国家宇宙政策などで商業宇宙政策が強く打ち出されており、商業宇宙分野での技術革新や起業の促進、公平でオープンな商業活動育成、政府による商業宇宙技術・サービスの購入、使用が示されるなど、産業振興が行われてきた。こうした政策が今後どのように変わるのだろうか。

 トランプ大統領の宇宙関連アドバイザーを務める元下院議員のロバート・ウォーカー氏は、FAA(米連邦航空局)の会議で9つの方針を示しており、宇宙開発における米国のリーダーシップ、NASA予算の地球科学から深宇宙開発へのシフト、21世紀中の太陽系有人探査、地球低軌道領域における民間企業へのハンドオーバーなどのキーワードを挙げている。全容はまだ見えておらず、今後の政策方針は注目だ。

世界(2):打ち上げロケット「再利用」や「小型」のコンセプトが具現化

 宇宙ビジネスが発展していくための前提条件とも言える打ち上げサービスは、「価格」「頻度」「投入軌道」「スケジュール」などさまざまな課題解決のために、近年は再利用ロケットの開発や小型衛星専用ロケットの開発などが進められてきた。2017年はそのコンセプトが具現化していく年になりそうだ。

 SpaceXは再利用ロケットによる初の商業打ち上げサービスを衛星通信大手欧SESと契約していると言われており、打ち上げ時期の発表が待たれる。小型衛星専用ロケットは、米Rocket Labや米Virigin Galacticが開発を進めており、前者は2017年に最初の打ち上げを、後者は2018年に打ち上げを計画している。時期に関してはずれることも多いが、いずれにせよ2017年には大きな進展が期待されている分野だ。

世界(3):宇宙旅行実現に向けた有人テスト飛行

 多くの人が待ちわびている宇宙旅行も、2017年に進展がありそうだ。ジェフ・ベゾス氏率いる米Blue Originは当初計画通り、2018年の商用フライトを目指して、2017年末には初の有人テスト飛行を計画している。将来的に「宇宙に数百万人の人が暮らし、働く世界を作る」というベゾス氏のビジョン実現に向けた大きな前進だ。

 また、操縦士2人と乗客6人が搭乗できる有翼の宇宙船で宇宙旅行実現を目指すVirgin Galacticも、現在滑空テストを繰り返しているが、このまま順調にいけば2017年半ばには動力テストを行うと発表している。2014年の試験飛行中の墜落死亡事故を乗り越えてきた同社の取り組みに、多くの注目が集まっている。

       1|2|3 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ

ITmedia 総力特集