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» 2017年02月06日 14時50分 UPDATE

宇宙ビジネスの新潮流:XPRIZE最終年、各チームが選ぶロケットは? (1/3)

日本からもHAKUTOが出場する賞金総額3000万ドルの月面無人探査レース「Google Lunar XPRIZE」に関して重大な発表がなされ、ファイナリストが16チームから5チームへと絞られた。各チームの動向をお伝えしたい。

[石田真康(A.T. カーニー),ITmedia]

 2017年1月末、世界が注目する賞金総額3000万ドルの月面無人探査レース「Google Lunar XPRIZE」に関して重大な発表がなされた。2017年末までを期限とするルールに若干の変更が行われるとともに、最終年に挑めるファイナリストが16チームから5チームへと絞られたのだ。

最終年を迎えた月面無人探査レース「Google Lunar XPRIZE」(写真:Google Lunar XPRIZE) 最終年を迎えた月面無人探査レース「Google Lunar XPRIZE」(写真:Google Lunar XPRIZE

ルール改訂

 従来のルールは、月面に無人探査機を送り込み、500メートル移動した後に、ニアリアルタイムで動画・静止画を地球に伝送するというミッションすべての達成を2017年末までに行うことが条件だったが、今回の改訂では2017年末までに打ち上げを行うことに変更された。

 併せて、2017年の最終年に挑めるチームには「2016年末までに、2017年中の打ち上げ契約を保持し、かつそれがXPRIZEから承認されること」という条件が課されたため、その結果、打ち上げ契約を結べなかった、結ばなかったチームがレースを離脱することになった。結果的に昨年までいた16チームが一気に5チームに絞られたのだ。

 残った5チームは、HAKUTO(日本)、Moon Express(米国)、SpaceIL(イスラエル)、Team Indus(インド)、Synergy Moon(多国籍)と、すべて出身国が違うのが特徴的だ。また、2017年への生き残り条件であった打ち上げ契約に関して、各チームが選択したロケットに特徴が見受けられる。

大型ロケットを選択したチームは3つ

 SpaceILはイスラエル企業や政府から支援を受けつつ、ホッピングタイプの着陸船を開発。着陸船で月面着陸後、そのままミッションを遂行する計画のユニークなチームだ。同チームは米Spaceflight経由でイーロン・マスク氏率いる米SpaceXの「Falcon9」と契約した。これは既に国際宇宙ステーションへの物資輸送や商業静止通信衛星の打ち上げで実績のある大型ロケットだ。

 大型ロケットを選ぶチームはほかにもある。Team Indusは自国のロケットであるPSLVと打ち上げ契約を結んだ。PSLVはISRO(インド宇宙研究機関)が開発して、1994年に初めて打ち上げに成功した国産大型ロケットだ。豊富な打ち上げ実績を保有しており、近年は小型衛星をまとめて打ち上げる商業打ち上げサービスも行っている。

 日本から参戦する有力チームHAKUTOも、Team Indusとの相乗り契約を発表した。Indusが開発中の着陸船にHAKUTOのローバーもペイロードとして載せて、月面まで輸送する契約だ。従って、HAKUTOのローバーもPSLVで一緒に打ち上げられることになる。そして、PSLVによる打ち上げは2017年12月28日と公式発表がされている。

鳥取砂丘でフィールド試験したHAKUTOのローバー(写真:HAKUTO) 鳥取砂丘でフィールド試験したHAKUTOのローバー(写真:HAKUTO
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