今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
北朝鮮の金正恩・第1書記、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、トルコのレセップ・タイイップ・エルドアン大統領、スーダンのオマル・ハッサン・アハメド・バシル大統領、ジンバブエのロバート・ムガベ大統領――。彼らは近代の独裁者と呼ばれる国家のリーダーたちである。そして今、もしかしたらそこに新たな人物が加わるかもしれない。
その人物とは、米国のドナルド・トランプ米大統領である。
トランプは最近、独裁的な傾向にあるのではないかとの指摘が出ている。トランプは2月16日、就任後初めてとなる単独記者会見に臨み、そこでメディアを「嘘つき」呼ばわりし、終始メディアに敵対する姿勢を貫いた。
これを見た共和党の重鎮で元大統領候補でもあるジョン・マケイン上院議員がトランプについてこう述べた。「私たちの知る民主主義を守りたいなら、いくつもの敵対的で自由なメディアの存在が必要だ。それがなければ、長い目で見ると個人の自由はかなり失われるだろうと懸念する。独裁者たちはここから生まれていくのだ」
法の支配が確立している米国では、そう簡単に独裁者が生まれることはないだろう。だがマケインが指摘するように、トランプは独裁的な傾向にあるようにも見えなくはない。荒唐無稽にも聞こえるが、実際のところ、トランプが“独裁者”になっていく可能性はあるのだろうか。
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