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» 2017年03月31日 07時30分 UPDATE

杉山淳一の「週刊鉄道経済」:なにわ筋線に阪急電鉄参加、各社への波紋 (1/5)

“なにわ筋線”構想に新たな展開だ。阪急電鉄が参入を表明し、直通運転を見込んで十三から北梅田へ新線を建設したいという。その構想の先には、宿願の新大阪駅延伸がある。一方、中之島線を持て余す京阪電鉄にも商機が見えた。

[杉山淳一,ITmedia]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』、『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。 日本全国列車旅、達人のとっておき33選』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP


 大阪でキタと言えば梅田周辺、ミナミと言えば難波周辺を指す。この南北を結ぶメインストリートは西側の四つ橋筋と東側の御堂筋だ。歴史的にもメインストリートは御堂筋だ。地下鉄御堂筋線は大阪初の地下鉄で、新大阪とキタ・ミナミを結ぶから、新幹線で大阪へ出張する人にも馴染みがある。知名度は高く、歴史的に見ても東京メトロ銀座線のような位置付けになる。

 四つ橋筋は大阪市電を敷設するために整えられた大動脈だ。現在は地下鉄四つ橋線が通っている。四つ橋線の起点は大阪駅南側の西梅田駅。南下して難波を通り、大国町で御堂筋線と接した後、御堂筋線は東へ向かって天王寺(阿部野橋)を経由する。四つ橋線はそのまま南下して、江戸時代に新田として開発された住之江に至る。

 四つ橋線の西側には第3の南北ルート“なにわ筋”がある。この道路は戦後の復興とともに区画整理によって整備された。キタの西端、ミナミの西端で、繁華街からは離れているから、四つ橋筋の迂回路という建設目的もあったかもしれない。

 このなにわ筋に地下路線を作ろうという計画が“なにわ筋線”構想だ。なにわ筋線は大阪駅の北側に隣接する北梅田(仮称)駅と、JR難波駅(JR西日本)、難波駅(南海電鉄)を結ぶ。北梅田駅ではJR西日本の梅田貨物線を転用し、新大阪駅から北梅田までおおさか東線が延伸する予定になっている。

なにわ筋線と阪急電鉄・京阪電鉄の位置関係 なにわ筋線と阪急電鉄・京阪電鉄の位置関係

 なにわ筋線が完成すると、新大阪と難波を結び、さらに関空へ直通する列車を運行できる。そこで、1982年に立案し建設を推進する大阪府と大阪市、乗り入れ予定のJR西日本と南海電鉄の4者協議が行われていた。2016年10月には、JR西日本と南海電鉄が共同運行すると報じられた。将来的には新大阪〜関西空港間を結ぶJR西日本の特急はるかが南海電鉄線経由になるという構想もあるという(関連記事)。

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