凸版印刷は4月5日、利用者の睡眠状態を解析するシート状センサーを開発したと発表した。マットレスの下に敷くと、利用者の心拍数や呼吸などの生体情報を取得・分析し、睡眠の深さをタブレットに表示するもので、介護・看護業界への導入を見込む。
実用化に向け、5月下旬から東京都内の病院で実証実験を実施。10月ごろの発売を予定している。
製品の構成と設置イメージ
介護従事者の負荷軽減と、患者のリハビリテーション効果の向上が目的。ウェアラブルセンサーとは異なり、睡眠中に外れる危険性がないため、高精度の分析が可能だという。介護従事者は患者の健康状態を把握して適切なサポートができるだけでなく、集積した睡眠データを分析して投薬判断やリハビリメニューのカスタマイズにつなげられるとしている。
センサーの価格は、1台当たり約10万円を予定。介護・看護業界でのシェア拡大に注力し、2018年までに約2億円の売り上げを目指す。
実証実験の概要
- “着るセンサー”で治療の質向上へ ドコモなど実証実験
東レ、NTT、NTTドコモが、医療型ウェアラブルセンサーの実証実験をリハビリ施設で行う。患者の生体情報を取得し、治療の質の向上につなげる。
- 今後のウェアラブル、主流は「衣類型」?
1月18日に開幕した「第3回 ウェアラブルEXPO」では、伸縮性のあるセンサーや電気を発する繊維を活用した「衣類型ウェアラブル端末」が多数登場。昨年から人気の眼鏡型ウェアラブル端末は、BtoB領域を対象とした製品が進歩していた。
- ウェアラブル端末が「街角」より「工場」で普及する理由
今後の市場拡大が期待されるウェアラブル端末。いま、その市場は一般ユーザー向けよりも、製造や建設現場といったB2Bの分野で盛り上がりを見せているという……。一体なぜか。
- カシオのスマートウォッチ、開発の裏で何があったのか
2016年春に、カシオ史上初のスマートウォッチ「WSD-F10」が発売された。アウトドアファンから高い支持を集める同製品を手掛けたのは、新規事業開発部 企画管理室の坂田勝室長だ。数々の失敗があったというが、どのようにして商品が生まれたのだろうか。
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