AbemaTV、見逃し番組視聴機能「Abemaビデオ」開始収益化への一歩となるか

» 2017年04月07日 12時59分 公開
[ITmedia]

 AbemaTVが運営するインターネットTV局「AbemaTV」は4月6日から、新機能「Abemaビデオ」の提供を開始した。iOS版アプリとPC版で先行し、Android版は4月下旬のスタートを予定する。見逃した番組を後で見ることができるようにするサービスだ。

 月額960円(税込)で「プレミアムプラン」として提供してきたタイムシフト機能を拡充し、新機能として提供する。プレミアムプランに登録すれば利用可能だが、AbemaTVオリジナル制作の番組など、一部の番組は登録しなくても閲覧できる。

新機能「Abemaビデオ」がスタート。アプリ上に新しく「ビデオ」が設けられた

 従来のタイムシフトは、過去の番組表をさかのぼって見逃した番組を選択し、視聴できる機能だったが、どの番組がタイムシフト視聴できるか分かりづらかった。

 Abemaビデオではユーザビリティを改善。アプリ上に新たに「ビデオ」を設け、Abemaビデオで視聴できるおすすめ番組や、無料で見られる番組を紹介。「より見やすく、探しやすくなり、番組の数・種類も多くなった」(AbemaTV広報担当者)という。

 AbemaTVにはこれまで、利用者から「見逃した番組が見たい」「録画機能が欲しい」という要望が寄せられていたという。新機能には有料会員を増やす狙いもある一方、「それよりもまだ利用者を増やすフェーズ。現在放送している番組で見たいものがなくても、ビデオの方で面白いものを探せるようになる。ユーザーが楽しんでいただける幅を広げたい」という。

視聴イメージ

 動画サイトの「録画」機能として、5日(現地時間)には米GoogleのYouTubeが「YouTube TV」をスタートした。月額35ドル(約3900円)で約40のテレビ番組が見放題になるサービスで、放送をライブ視聴できるほか、容量無制限でクラウドへの録画もできる。多チャンネルな米国ならではのサービスだ。

 また、ドワンゴが運営する「ニコニコ生放送」は、月額540円(税込)のプレミアム会員なら、番組終了後もタイムシフト再生の事後予約が可能になっている。

 サイバーエージェントの2017年9月期第1四半期(16年10〜12月)の連結決算によると、AbemaTVなどが属するメディア事業は、売上高59億円に対し、45.8億円の営業赤字を計上。AbemaTVは今はまだ投資期にあるとして、今期は200億円を投資する計画だ。

 いずれは有料会員モデルと広告モデルで収益化を目指すAbemaTV。有料会員モデルをけん引するであろうAbemaビデオをユーザーが受け入れるか、注目が集まる。

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