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» 2017年04月12日 06時00分 UPDATE

夏目幸明の“経営者論”:経営者が「完璧」よりも「スピード」を重視するワケ (1/2)

経営者はよく「スピード」という言葉をよく口にするが、なぜそこまでスピードを重視する必要があるのだろうか。筆者が取材を重ねる中で気付いた、この言葉に秘められた意味とは?

[夏目幸明,ITmedia]

著者プロフィール

夏目幸明(なつめ・ゆきあき)

1972年、愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、広告代理店入社。退職後、経済ジャーナリストに。現在は業務提携コンサルタントとして異業種の企業を結びつけ、新商品/新サービスの開発も行う。著書は『掟破りの成功法則』(PHP研究所)、『ニッポン「もの物語」』(講談社)など多数。


 経営者はよく「スピード」という言葉をよく口にする。筆者がIT企業の楽天を訪れたときも、社内の各所に掲出されている「成功の5つのコンセプト」の5番目には「スピード!!スピード!!スピード!!」とあり、「重要なのは他社が1年かかることを1カ月でやり遂げるスピード」という説明が加えられていた。

 筆者は当時、なぜそこまでスピードを重視する必要があるのか、意味が分からなかった。

photo 経営者が「スピード」を口癖にする理由とは?

 この言葉の意味に気付かされたのはリサーチ会社、マクロミルの創業者である杉本哲哉氏を取材したときだ。彼もまた「事業にはスピード感が〜」と話すため、「なぜそれほどスピードにこだわるのか」と聞いてみた。すると彼は次のように話した。

 「ここにカードが5枚伏せてあって、その中の1枚が当たりだとします。そんな状況で、必ず当たりを引く方法があるんですよ。何だと思いますか? カードを人の5倍の速さで全部めくるんです(笑)。結局、事業は“やってみなければ分からない”もの。新規性が高いものは、なおさらです」

 杉本氏が言いたいことは「失敗を計画に内包せよ」ということなのだろう。逆に、最初から正解を求めようとすれば、他人がつくった正解の公式を利用するしかない。だが、ビジネスの世界、特にネット業界では大抵一番手が勝つ。だから、生き残るには新しい何かにいち早く挑戦するしかない。すぐに手をつけ、カードをめくってから考え、暗中模索していくことが正解への近道なのだ。

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