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» 2017年04月20日 07時36分 UPDATE

世界を読み解くニュース・サロン:信頼できそうな大人に、子どもはどう接すればいいのか (1/4)

教師が子どもにいたずらをしたり、暴力をふるったり。子どもを守って育てていく立場の大人たちが、実は子どもにとって「最大の敵」なのかもしれない。どういうことかというと……。

[山田敏弘,ITmedia]

世界を読み解くニュース・サロン:

 今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。

 欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。


 千葉県我孫子市で、小学3年生のレェ・ティ・ニャット・リンさん(9)が排水路脇で殺害されているのが見つかったのは3月26日のこと。そして千葉県警は4月14日、松戸市の自称不動産賃貸業、渋谷恭正容疑者(46)を逮捕した。驚いたことに、容疑者は被害者の通っていた小学校で保護者会の会長を務め、通学路の見守り活動に参加していたという。

 事件は、学校関係者が子どもを殺めるというとんでもない展開を見せた。まず、義務教育である学校に安心して自分の子どもを預けられない社会は不幸である。

 児童に危害を与えるという意味では、最近でも、教師が子どもにいたずらをしたり、生徒と性的な関係をもったり、といった事件もよく目にする。子どもを守って育てていく立場の大人たちが、実は子どもの最大の敵かもしれないというのはあってはならない。子どもを狙ったこの手の事件の犯人には情状酌量の余地はないだろう。

 こうした事件はもちろん、日本だけでのものではない。実は少し前から、世界でも常軌を逸した大人による子どもを狙った犯罪行為がスキャンダルになっている。特に大きな騒動になっているのは、英国と米国で子どもなど若いスポーツ選手に対する大規模な性的虐待事件である。殺人という最悪の事態ではないが、子どもたちの心に深い傷を負わせる深刻な事件だったことは間違いない。こうした事件から、私たちはどんな教訓が得られるのか。

 2016年11月、英国でサッカーの少年チームのコーチをしていたバリー・ベネルが、80年代に選手だった当時14歳以下の少年たちに性的暴行を行なったとして、性的虐待容疑で起訴された。この件が大きなニュースになった理由は、犯人が優秀なコーチとして評判で有名クラブを渡り歩いていたからだ。ベネルは、英国のプレミアリーグでも有名なマンチェスター・シティやストーク・シティなど数々のクラブチームのユースチームでコーチをしていた。

子どもたちの心に深い傷を負わせる事件から、私たちはどんな教訓が得られるのか(写真はイメージです)
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